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PC-Webzine "from DIS" (2019年)

2019年02月号

『DX Innovation Forum』 Season.2 Powered by DIS 中四国レポート

地域課題の解決に役立つAI/IoT 活用を提案ビジネスチャンスにつながるアイデアを競う

『AI/IoT 課題解決アイデアソン』レポート

DX Innovation Forum Season.2 では新しい試みとして「アイデアソン」が実施された。アイデアソンとは新しいアイデアを生み出すために、参加者がテーマに沿って考え出したアイデアを発表し合うワークショップだ。DX Innovation Forum Season.2で実施されたアイデアソンでは「地域課題の解決につながるAI/IoTソリューションおよびサービスの提案」について参加各社の特長や強みを生かしたアイデアが披露された。

自社の強みとAI/IoTを組み合わせ解決できる地域課題を検討する

新しいビジネスのアイデアを競うアイデアソンには13社、25名が参加した。

同じ会社の2名が一組となって新しいビジネスにつながるアイデアを考えるアイデアソンは13社、25名(1名での参加を含む)の参加者で行われた。進行役には大阪市で経済戦略局イノベーション担当など20 年のキャリアを持つフィラメント 代表取締役 CEO 角 勝氏がファシリテーターを務めた。
またアイデアソンに先立ちテーマとなるAIやIoTに関して、日本マイクロソフト 業務執行役員 マイクロソフトテクノロジーセンターセンター長 澤 円氏が技術的な解説や先進事例を交えた市場動向などを説明した。
角氏と澤氏のアドバイスでヒントを得た参加者の最初のワークは自社の強みの再確認である。そして自社の強みとAIおよびIoTを組み合わせて、どのような地域課題が解決できるのかを検討し、そのアウトプットとして新しいサービスやソリューションのアイデアを考え出すという流れだ。
和やかな雰囲気ながらも参加者は各チームで議論したりインターネットで情報を調べたりしながら、アイデアの具現化を真剣に進めていたのが印象的だった。また角氏と澤氏が参加者のテーブルを回ってアドバイスをしている最中も、積極的に質問してアイデアのブラッシュアップを図っていた。

AIとIoTを活用した高品質農作物の自動栽培システムが最優秀賞を獲得

各社の参加者は「社会課題」「テクノロジー」「自社の強み」といったキーワードを組み合わせ、それらに対して自社が提供(を想定)するサービスの内容、サービスの想定利用者、サービスの利用効果を紙に書き込み、各社が順番に発表した。
角氏と澤氏が各社のアイデアをそれぞれ講評するとともに、発表者との意見交換でさらに新しいアイデアが生まれるなど有意義なイベントとなった。
そして最優秀賞に選ばれたのが徳島市から参加したスタンシステムの代表取締役社長 眞鍋 厚氏のアイデアだった。眞鍋氏のアイデアは自社でサービス提供をしているLEDを利用した植物工場システム「SmartPlant」とマイクロソフトのAzure AIを組み合わせた高品質農作物(グローバルGAP認証取得)の自動栽培システムだ。
同社は以前より植物工場の自動化を実現する技術開発に取り組んでおり、AIで活用できる教師データも蓄積しているという。そのデータをAzure AIで利用すればさまざまな検知や予測ができ、高品質農作物の栽培に必要な環境の構築や作業の自動化が実現できるとアピールした。
高品質農作物は付加価値も高く企業の収益に貢献できることに加えて、地域の食の安全の確保や農業従事者の減少への対応などにも貢献できると説明した。
最優秀賞に選ばれたスタンシステムの眞鍋氏には総額80万円相当の「Azure技術トレーニング」と「Azure検証環境」の目録が角氏と澤氏より授与された。