PC-Webzine "from DIS" (2019年以前)
2019年10月号
コラボセミナー「RPAのスケール・高度化・大衆化の実現へ! ~労働力不足の新たな解決策へ~」
新たな労働力として脚光を浴びているRPA(Robotic Process Automation)について、ソフトウェアメーカー、販売パートナー、ユーザーの各視点から事例の紹介やポイントが解説された。講師には、RPAテクノロジーズ 営業本部の小野寛徳氏、島根情報処理センター 代表取締役社長の北村 功氏、DISシステム推進部の松前和宏氏がそろった。
RPAテクノロジーズの小野氏はRPA について、「人と情報システムの間に存在して作業を代行するデジタルレイバー」と定義する。ポイントは二つ。RPAに適用すべきは多品種小ロットの作業であり、RPAとRDAの区別を的確に行うこと。「RDA(Robotic Desktop Automation)とRPAが混同されているケースが多いのですが、RDAは部分最適を、RPAは全体最適を実現するものです」
島根情報処理センターの北村氏は、自治体での導入例を紹介した。用例だ。実際には粗大ごみの回収業務の中で生じる票作成業務などをRPAで自動化し、1件あたりの作業時間を15分から約1分に削減できたという。「今後は、RPAで生み出した時間をどう生かすかがキモになります」と北村氏は話す。
DISの松前氏は自社での導入例を発表した。人手不足や残業抑制などの状況下において、売上を上げるために営業の時間をどう作るか。出した答えがRPAの導入だった。すでに、納期回答、在庫表提供、売上伝票発行などの業務においてRPA活用に至っている同社だが、最も大変だったのは「初期要望の洗い出し」だったという。「成功企業へのヒアリングや勉強会を行った上で、部門長へ働きかけて具体的な業務の洗い出しに移行していきました」と松前氏は明かす。
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小野寛徳氏
RPA テクノロジーズ 営業本部 -
北村 功氏
島根情報処理センター
代表取締役社長 -
松前和宏氏
ダイワボウ情報システム
システム推進部
特別講演「変革は地方から始まる ~ 地域の担い手育成 ~」
講師として登壇した竹部美樹氏は、福井県鯖江市出身だ。県外のITベンチャーに入社後、鯖江市に戻り、地域活性化プランコンテスト「市長をやりませんか?」を企画した。
このコンテンストは全国の学生に参加者を募り、鯖江市をよくするためのプランを市長や企業、市民の前で発表してもらい最優秀チームを決めるもの。2019年9月の開催で第12回を迎えた。全国から優秀な学生が集まる中で、地元の学生を運営スタッフとして採用したりすることで、「地元の学生たちに刺激を与え、自ら活動できるようにしている」と竹部氏は狙いを話す。
ITの担い手を育成するための取り組みとして、SAPのファブラボを鯖江市に招くことにも成功している。「Hana道場」と名付けられたそのファブラボは、子どもから大人までが利用できるPCや3Dプリンターが用意されており、イベントやワークショップも開催。地域のプログラミング教育の起点になっている。「これらの活動を通じて、リーダーやITの担い手、地域の担い手を育成していくのが私の役目です」と竹部氏は語った。