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PC-Webzine "from DIS" (2021年)

2021年02月号

PARTNER TOUR 自然言語AIでヘルプデスクを効率化「自然言語AI・QA支援システム ふれあいコンシェルジュ」

自治体向けのシステム開発を軸に、北海道から九州まで営業拠点を擁する北日本コンピューターサービスが、新たな事業の柱の一つとして開発したのが、自然言語AIを活用したQA支援システムだ。独自のAIエンジンを搭載させて、自治体から企業までのヘルプデスクの効率化を目指す。

AI開発で新事業を創出

デジタルビジネス推進室 マネージャー
村上 雅弘氏

自治体向けのシステム開発から保守サポートまでを主に行ってきた北日本コンピューターサービスは、生活保護業務の効率化を実現する「生活保護システムふれあい」などの提供で、多くの自治体に顧客を持っている。

実際、生活保護システムふれあいは、全国の自治体の6割程が導入しており、そのほかにも、貸付システムや滞納管理システムの提供で、自治体向けのシステム提供における固い地盤を築いている。

2015年ごろから北日本コンピューターサービスは、従来の自治体向けシステムに加えて、新しい事業の柱の創出に取り組み出した。その一つの成果として生まれたのが「自然言語AI・QA支援システム ふれあいコンシェルジュ」だ。同社 デジタルビジネス推進室 マネージャーの村上雅弘氏は次のように振り返る。
「新しい事業を創出する上で、AIを自社で開発するのは避けられないと判断しました。その際に、活用できるデータとして自社で大量に保有していたのがこれまでの顧客対応履歴です。10年間で10万件程の顧客対応履歴が保存されており、そのデータを使って自社で開発したFAQシステムでヘルプデスク対応をしていました。しかし、問いに対する回答が膨大に表示されたりするなど、効率的ではありませんでした。そこで、その解決のためのシステムを自社開発のAIでまずは実現しようとしたのです」

こうして2018年に社内システムとして開発が成功し、2019年7月には外部向けのサービスとして提供されるようになった。それが自然言語AI・QA支援システム ふれあいコンシェルジュだ。

話し言葉で最適な回答を検索

ふれあいコンシェルジュは、顧客対応履歴などの大量に保存されているデータから最適なナレッジを話し言葉で検索可能にする。「キーワード検索では単語が合致しないと検索できなかったり、逆に回答が大量に出過ぎてしまったりするケースが少なくありません。こうした場合、欲しい回答になかなかたどり着けず、無駄な時間を費やしてしまいます。ふれあいコンシェルジュはこの課題を解決できます」

ふれあいコンシェルジュで実現するヘルプデスクなどのQAシステムが話し言葉で最適な回答を引き出せるのは、搭載されているAIのおかげだ。秋田県産業技術センターの支援を受けて開発した自社製のAIは、特許も取得している。標準で約600万語の辞書を搭載しているほか、独自の業界用語にも対応できる。

「登録されているデータの単語や文章表現に揺らぎがあってもAIが判断して最適な回答を提案します。AIは自社開発しているため、中小企業から大企業までさまざまなお客さまに最適なQAシステムを提供できるのが強みです」(村上氏)

ふれあいコンシェルジュは、社内用や顧客向けのヘルプデスク、過去のナレッジの共有を可能にする顧客管理システムへの活用が想定されている。顧客対応の履歴を時系列で確認できたり、問い合わせの傾向をグラフ化して表示できたりするため、その後の改善活動にも役立てられる。

自治体では役所内で使用するIT機器のFAQシステムにふれあいコンシェルジュを採用し、情報システム担当者の負担の軽減に成功している。また、あるシステム会社では社内のナレッジ共有の基盤としてのFAQシステムをふれあいコンシェルジュで構築し、若手が必要な情報を効率的に得られるようにした。
「情報システム担当者への問い合わせが減り本業に集中できるようになったり、若手が知識習得に利用できているといった顕著な効果を評価していただいています。これからは認知度をさらに高めて、全国に販売を拡大させていきます。トライアルプランを用意しているので、まずは使ってみていただきたいですね」と村上氏は期待を語る。

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