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PC-Webzine "from DIS" (2025年)

2025年01月号

PARTNER TOUR 電子カルテ停止時も患者の情報を確認可能「Riscovery」

ランサムウェアによる被害は年々増加している。病院も例外ではなく、ランサムウェア感染により業務が長期間停止した事例が発生している。ランサムウェアによって電子カルテが見られなくなると、患者の情報が確認できなくなり、診療が行えなくなってしまう。そうすると業務停止中に収入が見込めないだけでなく、患者の健康状態にも影響を及ぼす可能性が出てくるのだ。そのため病院は、サイバー攻撃などの緊急時でも電子カルテを閲覧できる環境を整えておく必要がある。そこで活用したいのが、テック情報が提供する緊急用電子カルテ閲覧システム「Riscovery」だ。

緊急時も診療できる状態に

テック情報は「現場が必要とし、現場に役立つ、現場が楽になる商品」を基本コンセプトに、公共事業向けのシステム開発・販売と医療事業向けのシステム開発・販売を軸に事業を展開している。そうした中で医療事業向けに提供しているのが、緊急用電子カルテ閲覧システム「Riscovery」だ。

テック情報 執行役員 新規事業室 増村 淳氏は、Riscoveryの提供を開始した背景を次のように語る。「ランサムウェア被害が世間をにぎわせる中、病院も例に漏れずサイバー攻撃を受けて業務が止まった事態が起きています。そうした際に問題となるのが、電子カルテシステムが動かず患者の情報を参照できなくなることです。緊急時のために電子カルテシステムのバックアップを取っていたとしても、サイバー攻撃の捜査のためにシステムやバックアップデータが証拠物件として扱われ、病院側がシステムに一切触れなくなることがあります。このような理由で復旧が遅れ、約2カ月電子カルテシステムが使えなかった例もあります。この2カ月間をどうにかできないかと思い、復旧までの間も電子カルテを閲覧可能にし、診療が行える最低限の状態を作れるようにしようと考えて開発したのがRiscoveryです」

Riscoveryでは、ランサムウェア被害などによって電子カルテシステムが使えない際も、既往歴や感染情報などを示す患者情報、食事内容や必要な薬の内容を各部署へ指示するオーダー情報、過去1年間の検査結果を記す検査情報といった最低限の情報の閲覧と印刷が行える。印刷に対応することで、システムがダウンした緊急時も紙で患者の情報を展開できるようにしているのだ。病院の状況や規模に合わせて、導入しやすい価格で提供を行う。

完全バックアップが可能

増村氏は、Riscoveryの特長をこう話す。「バックアップする情報を必要最低限にすることで、完全バックアップが行える点です。バックアップデータもランサムウェアに感染する危険性がある以上、世代管理をしていた方が安全にデータ復旧できる可能性が高まります。しかし差分バックアップでは、世代管理を行うに当たって弊害が発生します。加えてメインの完全バックアップが感染してしまった場合、差分バックアップのデータしか復旧が行えません。Riscoveryは診療に必要な最低限のデータを全てバックアップし、それを閲覧できるようにしているので、緊急時に患者に関する情報を抜け漏れなく確認可能です」

続けて増村氏は、Riscoveryの展望を次のように語る。「Riscoveryは100床以上の病院に適した製品です。また、適切な診療記録の管理体制を評価する入院加算『診療録管理体制加算』の『診療録管理体制加算1』に関する施設基準の中で、非常時に備えたバックアップの確保についての項目があります。ですので、診療録管理体制加算1に該当するもののまだバックアップを取っていない病院には、ぜひ本製品を導入してもらいたいです。そしていつかは、全病院にRiscoveryを導入したいです」

最後に増村氏は、Riscoveryの拡販に向けたダイワボウ情報システム(DIS)への期待をこう話した。「Riscoveryは自社だけでなく代理店販売での展開にも力を入れたいと思っているため、DISさまには大いに期待しています。当社だけで行える営業には限りがあるので、DISさまが持つさまざまなルートを活用して、多くのお客さまに拡販していきたいです」

  • 執行役員
    新規事業室

    増村 淳 氏

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