PC-Webzine "from DIS" (2024年)
2024年03月号
サイバー攻撃が増加し、パスワード認証だけではセキュリティリスクに対応しきれなくなってきた。そうした状況に対応する認証方式として、注目されているのが多要素認証だ。多要素認証とは、パスワードなどの「知識情報」、ICカードなどの「所持情報」、顔認証などの「生体情報」といった認証の3要素のうち、二つ以上を組み合わせて認証を行う認証方式だ。そのため、パスワードが流失しても本人以外のログインを抑止できる。そうした多要素認証を実現する製品として、両備システムズはPCセキュリティソフトウェア「ARCACLAVIS NEXT」を提供する。
導入にActive Directory不要
両備システムズは、公共・文教・医療・民間向けに自社開発したシステムや、セキュリティ・クラウド・BPOなどのソリューションの提供によって、顧客の課題解決を支援する企業だ。
そんな同社が提供する製品の一つに、PCセキュリティソフトウェア「ARCACLAVIS NEXT」がある。ARCACLAVIS NEXTは、パスワードに顔認証またはICカード認証を組み合わせることで、PCの多要素認証を実現する製品だ。
ARCACLAVIS NEXTの特長は三つある。一つ目は、柔軟な認証だ。1台のPCで複数の認証方式を利用できるため、利用者ごとに認証方法を選択可能だ。同一のPCに別ユーザーがログインするに当たって、サインアウト・再起動を行う必要がない。そのため、職員はICカードで認証し、臨時職員は顔認証で認証するといった柔軟な共有PCの利用を実現する。
二つ目が、高精度な顔認証だ。AIを利用した自社開発の顔認証エンジン「RS OLFACE」で、マスクを着けたままの顔認証と、写真によるなりすましを防ぐ「まばたき検知」を実現している。さらにこの二つを合わせて、マスクを着けたまま、まばたき検知を行うことも可能だ。
三つ目が、運用管理負荷の軽減だ。利用者の操作が不要な「サイレントインストール」によって、最新バージョンの展開・適用を容易にする。加えて、本人認証を可能にする一時的なパスワード「緊急パスワード」をWebブラウザー上から発行できる。そのため、ICカードの紛失や、Webカメラによる顔認証のトラブルといったインシデントにもすぐに対応可能だ。
ARCACLAVIS NEXTの優位性について、両備システムズ インフラ・プラットフォームカンパニー セキュリティ・インフラ事業部 セキュリティソリューション部 技術支援グループ リーダー 上條智之氏はこう話す。「多要素認証製品の導入にはActive Directory(AD)が必要なことが多いですが、本製品はAD不要で導入可能です。そのため、ADサーバーを配置していないお客さまも、容易に多要素認証を始められます」
医療業界を中心に拡販
同社 営業本部 クロスインダストリー営業統括部 ソリューションビジネス営業部 セキュリティグループ 石井あすか氏は、今後の展望を以下のように語る。「厚生労働省が示した『医療情報システムの安全管理に関するガイドライン』によると、2027年度までに、医療情報システムには二要素認証の導入が必須になります。このような背景を踏まえ、今後は医療業界へ向けた拡販にさらに注力していきたいです」
続けて同社 営業本部 クロスインダストリー営業統括部 ソリューションビジネス営業部 セキュリティグループ 福嶋大生氏は「医療業界に加え、各監督省庁から多要素認証の導入が必須・推奨と提言されている公共団体や官公庁、教育委員会にも拡販していきます。さらに製造業、金融業、社会インフラ関連など民間企業にも、販売網を広げていきたいですね」と語った。
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インフラ・プラットフォームカンパニー
セキュリティ・インフラ事業部
セキュリティソリューション部
技術支援グループ リーダー
上條 智之 氏 -
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営業本部
クロスインダストリー営業統括部
ソリューションビジネス営業部
セキュリティグループ
福嶋 大生 氏 -
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営業本部
クロスインダストリー営業統括部
ソリューションビジネス営業部
セキュリティグループ
石井 あすか 氏
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