PC-Webzine "from DIS" (2023年)
2023年02月号
一般社会においてハイブリッドワークの取り組みが進むと同時に、セキュリティの重要性も増している。しかし、セキュリティ対策製品は敷居が高い、運用が煩雑といった印象から、導入に二の足を踏みがちだ。こうしたセキュリティ対策製品の導入に際し、「利用者や管理者の負担を少なくセキュリティレベルを向上する」をコンセプトに日本情報システムが開発したのが二要素認証ソリューション「Yubi Plus」だ。企業のセキュリティ対策を目的に開発された製品だが、この二要素認証のYubi Plusを提供する中で、教育分野という新たな市場への可能性が掘り起こされることとなった。
認証強化が教育分野で需要増
1974年に設立し、埼玉県狭山市に本拠を置く日本情報システム。地場の民間企業や自治体、教育委員会を中心にICT導入支援を行うソリューションプロバイダー企業だ。
SIを中心に事業を展開してきた同社では、そのノウハウを一つの形にアウトプットする意向が生まれていた。同社 ICTソリューション部の鶴巻 肇氏は、USBセキュリティ鍵と認証ソフトウェアで構成する「Yubi Plus」について次のように語る。「Yubi Plusは元々、企業のセキュリティ強化や対策に向けて開発し、機能刷新を重ねてきました。一方教育現場では、2020年から始まったGIGAスクール構想で学校にICT環境が一気に整備されました。またその環境に合わせて『教育情報セキュリティポリシーに関するガイドライン』が改訂されたことで、校務用PCなどのセキュリティ環境を見直す機運が高まっています。これを踏まえ、教員の校務用PCの認証方法が見直され、セキュリティ強化を目的としてYubi Plusの引き合いが増加しました」
Yubi Plusは、同社で仕入れ販売をしていたYubico製品「YubiKey」をUSBセキュリティ鍵(物理認証鍵)として使用するソリューションだ。最新バージョンでは、指紋認証が行えるUSBセキュリティ鍵「NJS ATKey」を台湾Authentrend社協力の元開発した。要望の多かった生体認証にも対応し、YubiKeyを使った所持情報と、NJS ATKeyを使った生体情報による認証を選択できるようになった。
「Yubi Plusの特長は、従来のログインパスワードを入力した後に、USBセキュリティ鍵を差してタッチするだけで二要素認証が実現できるところにあります。また、スタンドアロン版と認証サーバーを使った一元管理を行えるネットワーク版の2種類を選択できるので、まずは〇〇部から、といったミニマムスタートが可能です。認証サーバーは必須となりますが、新たに標準搭載した『リモート機能』をご利用いただくことで自宅や出先からの画面転送型のリモートアクセスも行えます」(同社 ICTソリューション部 高田敦子氏)
校務支援システムの要望に対応
学校現場からは校務用PCのログインのほか、校務支援システムのログインにもYubi Plusを活用したいと要望があったという。同社はそれを受け、校務支援システムとの製品連携を行うなど教育現場のニーズに応えてきた。
Yubi Plusの今後について、鶴巻氏は次のように語る。「当社が次のフェーズとして視野に入れているのがYubi Plusを導入いただいたユーザーのクラウドサービス認証強化です。 Yubi Plusで使用するUSB鍵セキュリティ鍵は次世代認証として期待されているFIDO認証にも対応しています。『Google Workspace for Education』や『Microsoft 365 Education』のようなクラウドサービスのユーザー認証にこの機能を波及させていきます」
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ICTソリューション部
鶴巻 肇 氏 -
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ICTソリューション部
高田 敦子 氏
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