PC-Webzine "from DIS" (2020年)
2020年03月号
株式会社たけびし
オフィスでの業務は受発注システムや販売管理システム、在庫管理システムなどさまざまな業務システムによって効率化されている。しかしシステムに入力する情報は紙やファイルなどさまざまな形態、書式でやりとりされており、文書に関わる事務処理には多くの人手と時間が費やされている。こうしたオフィスでの人手不足や業務時間の短縮といった課題解決に応えてくれるのが、たけびしが自社開発した「ファイルアーク Officeエディション」だ。
オフィス用途に事業領域を拡大
たけびしは1926年(大正15年)に設立された老舗企業だ。同社は産業機械やFA機器、半導体、電気機器等を扱う商社でありながら、FAシステムや情報システム、ソフトウェアパッケージの自社開発にも注力しており、製造現場のデータを取り出して業務システムなどと連携させるためのミドルウェア「OPCサーバー」は世界50カ国に向けて年間数千本の出荷実績を誇る。
さらに近年はシステムやソフトウェア開発の事業領域をオフィス用途に拡大しており、2018年に同社初となるオフィス向けパッケージ製品「ファイルアーク Officeエディション」を発売した。
入力作業の省力化とミス抑制
ファイルアーク Officeエディションは紙文書やPDFファイル、画像ファイルで受け取った文書の内容を認識し、業務システムに自動的に入力するシステムだ。
ファイルアーク Officeエディションを開発した背景について竹内龍二氏は「当社は産業分野において現場での課題解決に貢献してきましたが、お客さまはオフィスでの業務にも多くの課題を抱えており、その解決にも貢献したいと考えました」と説明する。
同社が最初に目を付けたのがオフィスに散在する文書だった。狩野悦伯氏は「例えば受発注は紙文書やPDFファイルでやりとりしますが、文書の内容は人手で業務システムに入力しなければならず、件数が増えると入力が遅れて出荷が遅れるなど機会損失を招く恐れがあります。また人手での入力はミスが生じやすく、入力ミスによって誤発送など物理的な損失も生じます」と指摘する。
ユーザー自身で導入・活用できる
ファイルアーク Officeエディションは難しい設定や複雑な操作が不要で、ユーザー自身で導入、活用できる。スキャナーで読み込んだ紙文書やメールに添付されたPDFファイルおよび画像ファイルをファイルアーク Officeエディションに表示し、文書から取り出したい領域をマウスで範囲指定する。そして範囲指定した領域を業務システムの金額や数量、型式といった各項目とマウス操作で関連付けして帳票定義をし、各項目に対応するテキストデータが抽出される仕組みだ。
抽出されたテキストデータはCSVファイルで外部出力できるほか、業務システムが利用しやすい書式に加工して出力するスクリプト機能も用意されている。また一度扱った文書はレイアウトが登録されるため、二度目からは自動で識別して必要なデータが抽出されるので文書の仕分けやレイアウトの登録といった作業が省ける。
なお認識の対象は活字やバーコードに加えて、クラウド版では手書き文字にも対応する。さらにクラウド版では文字認識の精度が都度向上するメリットもある。
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社会・情通システム本部
情報通信システム部長
竹内 龍二氏 -
社会・情通システム本部
情報通信システム部 営業課長
狩野 悦伯氏
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