PC-Webzine "from DIS" (2019年以前)
2019年11月号
日鉄ソリューションズ株式会社
日本を代表する製鉄業のシステムを支えてきた日鉄ソリューションズが、厳しい現場環境に耐える次世代型ハードウェア「HAGANE」を提供している。もともと宇宙・防衛用途として開発された製品の汎用版と聞けば、その堅牢性の高さは容易に想像できるだろう。開発経緯からビジネスチャンスまでを担当者に聞いた。
Dell EMCの筐体を採用
日鉄ソリューションズが提供する次世代型ハードウェア「HAGANE」は、衛星をコントロールする地上局で使用するシステムとして開発されたのが始まりだ。「長期間にわたり、システムに変更を加えずに同じ製品を使用したいというニーズに応えるために開発しました」と日鉄ソリューションズ 社会公共ソリューション事業部の山地正倫氏は経緯を明かす。同氏が所属する宇宙・防衛セグメントの顧客は、サプライチェーンにおけるセキュリティの観点からも、安心で安全な製品を求める。そうした顧客の需要にも呼応するのがHAGANEである。
「当社には、製鉄業を長期に支えるシステムの構築・運用保守を行ってきた土壌がありました。HAGANEは当社と、世界トップレベルのサーバー&ストレージシェアを誇るDell EMC、そして保守などをサポートする日本コムシスとの3者間の連携で生み出された次世代型のハードウェアです。ハードウェアの筐体にはDell EMCのPowerEdgeサーバーを中心に多彩な製品群を採用しています」と日鉄ソリューションズ 社会公共ソリューション事業部荒川陽介氏はアピールする。
Dell EMCの実績ある製品をベースにするHAGANEは、品質に徹底的にこだわっている。「デルの工場で全数検査を実施し、その上でさらに当社の工場でも全数検査を行います。二重の全数検査体制の採用で、初期不良を極限まで抑えているのです」(山地氏)
こうした取り組みで高品質に仕上げられたHAGANEは、最長で10年間もの長期のハードウェア保守が提供される。「機器構成に制限はなく、保守期間中の部品交換も不要です。そのため、部品交換に伴うシステム停止を回避でき、機器のリプレースコストも不要になるのです。保守体制も万全です。24時間365日体制で保守サービスを提供します。全国280カ所の保守拠点から、標準で4時間以内の駆け付け対応を実現しています」(荒川氏)
監視機器やIoT用途にも
宇宙・防衛産業向けのシステム開発から生まれたHAGANEは、長期間にわたってシステムを安定稼働させたい用途に対して、ビジネスチャンスが開かれている。日鉄ソリューションズでは、ユースケースとして次のような例を挙げる。
- 一般業務で使用するアプリケーション基盤
OSを更新したくない、もしくはする必要がないシステムや、インターネットに接続しないクローズド環境のシステムなど - 監視機器
監視カメラを動かす録画システム、顔認証などの画像分析用システムなど - 産業機器
IoT関連用途など - データセンター
内部用ファイルサーバーやプライベートクラウド
「昨年の発売以来、SIビジネスも含めての売上が順調に伸びています。最長10年の長期保守や二重の全数検査、安心の保守体制を備えるHAGANEは、オンプレミスでの長期間のシステム運用ニーズに対して大きな訴求効果があるのです」と山地氏と荒川氏は口をそろえる。
-
社会公共ソリューション事業部 営業第二部
事業創出グループリーダー (宇宙・防衛セグメント)
山地 正倫氏 -
社会公共ソリューション事業部 営業第二部
事業創出グループ (宇宙・防衛セグメント)
荒川 陽介氏
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