PC-Webzine "from DIS" (2019年)
2019年04月号
東日本エリア
MXモバイリング株式会社
市場が立ち上がってからまだ間もないVRの領域で、果敢に顧客開拓に挑んでいるのがMXモバイリングだ。「VR消火訓練シミュレータ」というオリジナリティ溢れるソリューションを自社開発し、製造業から自治体にまで幅広く提案を進めている。
VR空間上で消火作業を体験
MXモバイリングは、NTTドコモをはじめとする携帯電話事業者の一次代理店として、モバイル端末やネットワークソリューションの販売事業を展開している。法人向けには、スマートデバイスのライフサイクル全体のトータルサポート事業を拡大させている。そのMXモバイリングが現在、法人向けソリューションのイチ押しとして積極的に拡販しているのが「VR消火訓練シミュレータ」だ。
VR消火訓練シミュレータはその名の通り、VR(仮想現実空間)内で消火訓練が行えるソリューションだ。スマートフォンを組み込んだVRヘッドセットと訓練用の消火器を利用する。スマートフォンには消火訓練のコンテンツがインストールされていて、VRヘッドセットを装着すると目の前に仮想の火災現場が広がる。
ホースの先端にセンサーを内蔵した訓練用消火器は、BluetoothでVRヘッドセットと連動しており、手に持った訓練用消火器のレバーを握るとVR空間上で消火剤が放射される仕組みだ。訓練用消火器のホースの先端に搭載されたセンサーによって、手に持ったホースの向きなどもVR空間上に反映させられるため、現実世界と同じような消火器を利用した消火訓練がVR空間上で行えるようになるのだ。
「 スマートフォンを利用して手軽にVRを実現するVRヘッドセットの登場が、VR消火訓練シミュレータの開発を始めたきっかけでした」と、法人事業本部 ソリューション推進室 マネージャーの大野雄吾氏は振り返る。
自治体での防災キャンプ活用まで
消火訓練というカテゴリーに絞った理由はなぜか。「2016年ごろにVR市場の注目度が一気に高まりましたが、当時法人向けでは観光用途やショールーム目的でのVR利用が中心で、防災観点でのソリューション提供はほとんどなかったこともあり、防災用途で開発を進めたのです」(法人事業本部 ソリューション推進室 黒田晃裕氏)
VR消火訓練シミュレータの最大の魅力として、訓練用消火器の存在をアピールするのは、法人事業本部 ソリューション推進室 菊地成文氏だ。「本物の消火器を模した訓練用消火器を開発できたことで、消火訓練のリアル度が大きく高まったのがポイントです」と説明する。VR消火訓練シミュレータでは、360度カメラを使って実際の現場を撮影し、それをコンテンツ化する。そのため、導入する企業の現場に応じたコンテンツの提供が可能なのだ。
VR消火訓練シミュレータは、工場を持つ製造業を中心に、店舗やビルにおける消火訓練用途などにも採用され始めている。さらに企業利用だけでなく、今後、大きく採用が広がりそうなのが自治体での活用だ。熊本県熊本市では、消防局が実施する防災キャンプの体験プログラムの一つに、VR消火訓練シミュレータを利用したVR消火訓練を追加し、昨年の8月に実際に開催している。「今後は、こうした自治体でのユースケースも増やしていきたいですね」と黒田氏は意気込む。
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法人事業本部
ソリューション推進室
マネージャー 大野 雄吾氏 -
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法人事業本部
ソリューション推進室
黒田 晃裕氏 -
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法人事業本部
ソリューション推進室
菊地 成文氏
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