PC-Webzine "from DIS" (2025年)
2025年07月号
自治体や企業で使う一般的なメールソフトは、添付ファイルの容量に制限がある。そのため大容量ファイルを送付する際は、パスワードで保護したZIPファイルを添付したり、外部のファイル転送サービスを使ったりする必要がある。しかしパスワードをかけたZIPファイルは安全性が高いとはいえず、外部のファイル転送サービスは情報漏えいが起こる可能性があり、重要書類のやりとりには向かない。そこで、高い安全性の中で大容量ファイルの送受信を行えるサービスが、スタンシステムが提供する総合オンラインストレージサービス「DECO」だ。
徳島県内全ての自治体で活用
スタンシステムは徳島県を拠点に、ソフトウェア開発やネットワーク構築、ハードウェアの販売などの事業を展開する。そんなスタンシステムが提供しているサービスが、総合オンラインストレージサービスの「DECO」だ。
スタンシステム 取締役 ビジネスプロデュース本部 本部長 西川孝範氏は、DECOの概要を次のように語る。「DECOはメールに添付できない大容量のファイルを、安心・簡単に送受信可能なWebアプリケーションです。徳島県さまと、当社および当社のグループ会社であるニューメディア徳島が共同開発しました。名称の由来は『Data sharingsystem to Enhance COmmunication』(情報共有促進システム)の頭文字を取った造語なのですが、阿波の人形浄瑠璃で使われている『阿波木偶(でこ人形)』も由来になっています。また、DECOは自治体を中心に展開しているサービスです。そのため、総務省が発表する『地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン』の2018年9月の改定に合わせ、無害化ソリューション『VOTIRO』と連携したファイルの無害化にも対応しています。現在は徳島県内全ての自治体さまだけでなく、全国の自治体さまでも活用されているサービスになっています」
DECOは自治体に向けた「LGWAN-ASP」版のほか、インターネット接続環境があれば誰でも利用可能な「クラウド」版、インターネット上で無料で公開している「オープンソース」版も用意している。「オープンソース版は自由にダウンロードでき、誰でも無料で使えます。ですので、現在さまざまな民間企業さまが活用しています。オープンソース版でも、サポートが必要なお客さまには有料サポートを提供しています」(西川氏)
管理者が送信ファイルを確認
加えてDECOは、一目で操作方法が分かるシンプルなUIも特長だ。「新たなシステムを導入した際、従業員を対象に、勉強会・講習会を開くケースがあると思います。しかしDECOは『ファイルを送信する』『ファイルの送信を依頼する』のボタンだけを備えたシンプルな画面設計なため、ITリテラシーがあまり高くない方でも迷わずに操作が可能です」(西川氏)
さらにDECOは、セキュリティインシデントを防ぐために、管理者が承認するまでファイルを送信しない「送信決裁」機能を搭載する。本機能は、決裁順に従って全員が承認すればファイルを送信できる「通常決裁」と、決裁者の一人が承認すればファイルを送信可能な「簡易決裁」の2種類を用意する。従業員が勝手に重要なファイルを送信してしまうことを抑制し、情報漏えいを事前に防止可能だ。
西川氏は、DECOの今後の展望をこう話す。「徳島県内全ての自治体さまには導入できているものの、県外の自治体さまに向けては、まだ導入が十分に進んでいません。なので今後は、さらに全国の自治体さまに使ってもらえるようにしていきます。クラウド版やオープンソース版もラインアップしているので、大きいファイルをやりとりする民間企業さまにも使ってもらえればと思います」
最後に、DECOの発展に向けたダイワボウ情報システム(DIS)への期待を、西川氏はこう話した。「DISさまは全国に支店があるので、各支店を通して全国の自治体さまにDECOを導入していければと考えています。当社は2025年7月30日に徳島県で開催する『DIS ICT EXPO2025』にも出展するので、そちらで多くの方にDECOを見てもらえたらうれしいですね」
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取締役
ビジネスプロデュース本部
本部長
西川 孝範 氏
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