PC-Webzine "from DIS" (2025年)
2025年06月号
2021年11月10日の「道路交通法施行規則」の改正で、乗車定員が11人以上の自動車1台、もしくはそのほかの自動車を5台以上所持する白ナンバー事業者に向けた、飲酒運転根絶への取り組みが強化された。この強化によって、白ナンバー事業者はアルコール検知器による酒気帯び有無の実施や、チェック後の記録保存を行う環境の整備が急務となった。しかし法改正から3年以上たった現在でも、十分な整備が行えていない企業が存在する。そうした企業の環境改善に役立つのが、協和テクノロジィズが提供する「クラウド型安全運転管理システム enerZing PiCAR」だ。
顔認証AIでなりすましを防止
協和テクノロジィズは、インフラや監視制御に関するシステムの設計・構築・保守からソフトウェアの開発まで、多様な事業を手掛けている企業だ。そうした中で「クラウド型安全運転管理システム enerZing PiCAR」(以下、enerZing PiCAR)を開発したのは、2021年11月10日に改正された「道路交通法施行規則」が背景にあると協和テクノロジィズ デジタルソリューション事業部 難波 巧氏は語る。「改正された道路交通法施行規則により、白ナンバー事業者において運転前後のアルコールチェックが義務化されました。これを破ると、企業は罰金を払うだけでなく、飲酒運転事故を起こしたというマイナスイメージを負います。こうした事態を避けるために、安全運転管理業務をしっかり統制してほしいと考えたことが開発理由です」
enerZing PiCARは、スマートフォンで運転手のアルコールチェックや車両点検、運転日報の記載が行えるサービスだ。難波氏は、enerZing PiCARの特長を次のように話す。「主な特長は三つあります。まず一つ目は、全てのメーカーのアルコール検知器が使える点です。enerZing PiCARではメーカーや価格帯を問わず、さまざまなアルコール検知器を使用できます。二つ目は、AI、クラウドコミュニケーションに対応する点です。本サービスでは、アルコールチェック前に顔写真を撮影します。写真は顔認証AIで確認するため、実施者のなりすましを防止できます。ビデオ通話にも対応し、遠方から出発する運転者にも目視での状況確認が可能です。三つ目は、運行前の自動車点検や運転日報の記載が行える点です。アルコールチェック以外もできることで、本サービスのみで安全運転管理業務を網羅可能です」
従業員の運転状況を迅速に確認
enerZing PiCARでは安全運転管理者用のサービスも用意している。「運転者が記録したアルコールチェックや車両点検、運転日報の一覧が素早く確認できます。安全運転管理を紙ベースで行っていると、従業員の運転状況を確認する際、紙の資料を1枚ずつ見る手間が発生します。しかしenerZing PiCARを使えば、システム上で運転状況を一気に確認できるのです」
最後に協和テクノロジィズ デジタルソリューション事業部 事業部長 林 豊氏は、enerZing PiCARのさらなる展開に向けた意気込みをこう語った。「安全運転管理業務をシステム化できていない企業はまだ多いです。紙での管理を続けているお客さまに向けて、業務改善のためにenerZing PiCARを提供していければと考えています」
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デジタルソリューション事業部
事業部長
林 豊 氏 -
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デジタルソリューション事業部
難波 巧 氏
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