PC-Webzine "from DIS" (2024年)
2024年12月号
災害対応や道路異常などの対応には、その現状を正確に管理者へ伝える仕組みが必要だ。陥没や倒木といった異常が正しく共有されないと、適した修復対応が行えない。しかし現場の情報を電話で共有するだけでは、正確に状況が伝わらない懸念がある。また写真を撮影しただけでも、異常が発生している箇所が正しく伝わらない可能性があるだろう。そこで活用したいのが、扇精光ソリューションズが提供する写真の位置情報の共有が可能な「通報システム」と、測定物の点群データを閲覧できる「三次元点群ビューワ」だ。
素早く詳細に地理情報を確認
扇精光ソリューションズは、情報システム機器・測量機器の販売や業務システムの開発・運用・保守などを展開し、進化した製品と技術をもって顧客のサポートを行う企業だ。さまざまなIT技術で顧客を支える中でも、特に位置情報に関する技術を強みとしている。そうした特長を踏まえて提供しているのが、写真の位置情報を共有する「通報システム」と、ドローンなどから得られる膨大な点群データの閲覧を行う「三次元点群ビューワ」だ。
通報システムは、スマートフォンで写真を撮影すると、撮影した場所の位置情報をGPSで取得できる。扇精光ソリューションズ システム開発事業部 事業部長代理 岩永康明氏は、通報システムの特長を次のように話す。「通報システムでは、撮った写真に撮影者がコメントを付けられます。例えば、道路異常を撮影したものに対して『道路が2m陥没しています』といったコメントを残せます。これにより、道路管理者へ異常が起きている場所と状態を迅速に通達可能です。道路管理者は共有された情報を即座に確認可能で、迅速な事後処理に役立てられます。どこで何が起こっているかを素早く把握できるので、災害時の情報共有でも使える上、その後の対応経緯が時系列で現場でも確認可能な点が強みです」
そして三次元点群ビューワでは、地形など広範囲で測定したデータを点の集合で記録した「点群データ」の閲覧が可能だ。測定したデータを三次元化できるため、測定物を地図の平面情報だけでなく立体的にも確認可能になる。岩永氏は、三次元点群ビューワのメリットをこう話す。「三次元点群ビューワを使えば、例えば土砂災害が起きた際に、ドローンで収集された災害箇所の点群データを三次元で解析でき、流出した土砂の体積計算などが可能です。非常に膨大な量のデータを高速に扱うことができ、閲覧側の環境に負荷をかけません。通報システムと同様にWebブラウザーから確認が行えるため、スマートフォンやPCなどデバイスを選ばずに点群データを見られます」
三次元の位置情報共有も可能
通報システムと三次元点群ビューワは、連携した上での活用も可能だ。岩永氏は「通報システムで共有する位置情報を、三次元点群ビューワで高さも含めて立体的に確認する使い方ができます。これにより山の中腹に損傷箇所があるといった、高さを伴う位置情報の共有が行えます」と活用方法を話す。
続けて岩永氏は、通報システムと三次元点群ビューワの展望を次のように語る。「通報システムも点群ビューワも、実際に自治体で使ってもらっているサービスです。ある地震が発生した際には、自治体の要請を受けて、試験的に通報システムのサービスを提供し、一定の効果を得られました。両方とも機微な情報を扱うこともあり、今後、一定期間は公開したくないデータが出てくると思います。そのため自治体さまが安心して使えるように、両方ともLGWANの中でサービスを提供していきたいです。そうすれば、通報システムは自然災害時の情報共有などで、三次元点群ビューワは点群データを活用した災害復旧や新しいまちづくりなどで活用が行えるでしょう」
最後に岩永氏は、通報システムと三次元点群ビューワの拡販に向けたダイワボウ情報システム(DIS)への期待をこう話した。「さまざまなお客さまを紹介してもらいたいです。県内/県外問わず、当社のソリューションに興味を持ってくれる企業さまが増えたらうれしいですね」
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システム開発事業部
事業部長代理
岩永 康明 氏
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