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PC-Webzine "from DIS" (2020年)

2020年04月号

PARTNER TOUR 保育業務の効率化を支援する「おが~るシステム」

東日本エリア
岩手インフォメーション・テクノロジー株式会社

業務系基幹システムの受託開発を中心に事業を展開している岩手インフォメーション・テクノロジーが、保育業務の効率化を支援するシステムを提供している。それが「おが~るシステム」だ。2016年から政府によって開始された保育所関連のIT化推進事業の波に乗って、今、導入が拡大している注目のソリューションである。

タブレットで登降園管理

代表取締役
阿部 考志氏

岩手県滝沢市に開発拠点がある岩手インフォメーション・テクノロジーは、業務アプリケーションの設計・開発・保守や基幹パッケージのカスタマイズ・アドオン開発などを中心にしたソリューションを地場企業向けに提供している。その岩手インフォメーション・テクノロジーが現在、販売に注力しているのが保育業務支援システム「おが~るシステム」だ。

「岩手県立大学・滝沢市との共同研究で保育業務が抱えている多くの課題を認識し、その解決に役立つシステムを開発しようと考えたのがおが~るシステムのきっかけです」と同社 代表取締役 阿部考志氏は振り返る。

保育施設の業務や事務作業は、従来から手作業がメインで多くの労力が割かれており、本来の子供と向きあう時間を失っている。職員は、園児への対応だけでなく、登降園管理や保育の延長料金の計算、月末月初の実績報告、指導計画や保育日誌の作成などさまざまな業務を抱えていて多忙だ。そこで、そうした業務のIT化で職員の作業負担を軽減し、あたたかい保育の実現を目指したのが、おが~るシステムだ。

実際、おが~るシステムは、登降園の管理、日誌や日報などを記録できる計画日誌、園児の経過記録や成長記録、職員のシフト管理、施設情報管理など、園児や職員、そして施設に関わる情報を一元的に管理できるソリューションとなっている。

「目玉の機能は、登降園管理です。アプリケーションをインストールしたタブレットを保育施設の玄関に設置することで、登降園の打刻とデータの集計が可能になります。登降園の状況が管理PCでリアルタイムに確認できるだけでなく、園児の登降園時間のデータの日別・月別での出力が手軽にできたり、延長・預かり保育料の計算や、行政への実績報告用のデータ出力も簡単に行えるようになります。ノートに記入してExcelで入力し直して管理するような従来のやり方と比較して、業務の飛躍的な効率化が実現するのです」(阿部氏)

おが~るシステムは、保育関連の給付費請求などを自治体に申請するためのクラウドシステム「おが~るウェブレポ」との連携も実現している。自治体と保育施設を結ぶシステムで、毎月の給付費申請に関連した業務がクラウド経由で手軽に行えるようになる便利な仕組みだ。現在、岩手県滝沢市をはじめ、東京都杉並区や青森県八戸市などで利用できる。

なお、システム名にもなっている「おがる」は、北日本の言葉で「成長」や「大きくなる」を意味する。おが~るシステムは、子どもたちの健やかな成長と、システム自体の拡大の二つの意味を併せ持っている。

IT化補助金制度で販売が加速

2013年に最初のバージョンがリリースされたおが~るシステムの売り上げに火がついたのは、2016年に政府が開始した「保育所等における業務効率化推進事業」がきっかけだ。その前年には、「子ども・子育て支援新制度」が公表されて、保育施設での事務作業の増加が見込まれた。そうした流れの中で、業務を効率化できるITシステムとして、おが~るシステムが多くの保育施設から評価され、導入に至っている。「現在、東北を中心に北海道から沖縄県まで全国で600以上の保育施設で利用されています」(阿部氏)

2016年当時は、競合も少なかったが、現在は保育関連のIT化という有望な市場をターゲットに多くのソリューションが提供されるようになってきた。そうした中でおが~るシステムの強みについて阿部氏は次のようにアピールする。

「クラウドサービスが主流になる中で、あえてオンプレのシステムとして提供している点が大きな特長です。保育業務のシステムは園児のデータなどを扱うため、セキュリティ面からクラウドサービスの利用をためらうお客さまは少なくありません。そうしたお客さまに対してオンプレのおが~るシステムは多大な訴求力を持っているのです。登降園管理に必要なタブレットPCと一緒に提案できるなど、販売パートナーの皆さまにとっては、売り上げの拡大にもつながるソリューションとなります」

IT化提案の大きなチャンスを秘めている市場において、2021年までに累計で1,000施設への導入を目指すと阿部氏は目標を語る。

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