PC-Webzine "from DIS" (2026年)
2026年11月号
医療機関や薬局では、患者の健康保険資格情報や医療情報の取得、保険診療報酬の請求手続きを行う際、専用回線を用いて「オンライン資格確認等システム」に接続している。従来、このシステムを利用するためには回線工事が必要であり、利用場所が制限されるほか、ルーターなどのネットワーク機器を管理しなければならないという課題があった。さらに、2021年のマイナ保険証の導入以降、医療機関や薬局でマイナンバーカードを読み取る機会が増加し、安定した通信環境へのニーズは一段と高まっている。こうした課題に対応するために中部テレコミュニケーションが提供するのが、モバイル通信内蔵型のレンタルPCサービス「ctcヘルスケアPC」だ。
医療現場における通信課題を解決
中部テレコミュニケーション(以下、ctc)は、個人・法人向け双方に高品質な通信サービスを展開する企業だ。同社は通信事業者としては珍しく、自社内に医療・ヘルスケア分野の専門部署を擁し、病院の医療情報システムの構築から保守までを一貫して手掛けている。そのctcが新たに提供を開始したサービスが、モバイル通信内蔵型のレンタルPCサービス「ctcヘルスケアPC」だ。
本サービスの開発に至った背景について、ctc ICT推進本部 ヘルスケア営業部 ヘルスケアサービス企画グループ 兼 ヘルスケアアカウント1グループ グループマネージャーの柳川大貴氏は次のように語る。「医療機関では毎月5日から10日ごろに専用回線を用いて、窓口負担分を除く診療報酬を『医療情報基盤・診療報酬審査支払機構』(以下、DX審査支払機構)や『国民健康保険団体連合会』へ請求しています。従来、この請求業務は月に1回程度だったため、家庭用の光回線などを利用して運用するケースが多くありました。しかし、2021年からマイナ保険証による『オンライン資格確認』が開始され、状況は一変しました。日々の患者対応でリアルタイムに専用回線へアクセスする必要が生じ、家庭用回線では通信の不安定さや障害時のリスクに対する不満や不安の声が聞かれるようになったのです。医療現場では通信の停止が診療停止に直結するため、有線光回線の敷設に数カ月を要するケースも含め、導入の手間や障害耐性が大きな課題となっていました」
こうした課題を解決するのがctcヘルスケアPCだ。本サービスは、厚生労働省の認可を受けた同社の広域イーサネットサービス「EtherLINK ad」の技術をベースに、インターネットを経由しない閉域モバイル網と専用PCをパッケージ化したものだ。
場所を選ばず専用回線を利用可能
ctc ICT推進本部 ヘルスケア営業部 ヘルスケアサービス企画グループ 課長補佐の水谷優太氏は、ctcヘルスケアPCのメリットについて次のように説明する。「有線回線の場合、電柱の倒壊や屋外設備の故障、院内ハブやスイッチの破損によって通信が断絶するリスクがあります。ctcヘルスケアPCであれば、PCから直接閉域網を通じてセキュアにDX審査支払機構のシステムへ接続できます。さらに、設定や保守窓口までを含めたオールインワンで提供するため、煩雑な端末設定や管理の手間を軽減します。対応するのはヘルスケア専門の保守部隊ですので、医療現場の専門用語や運用フローが通じやすい点も大きなメリットです」
モバイル通信を内蔵した本サービスは、従来の有線回線では対応が難しかったさまざまなシーンで威力を発揮する。「ビルテナントや離島、山間部など、光ファイバーの引き込みが困難な場所でも、モバイル通信のサービス提供エリア内であれば利用可能です。また、近年ニーズが高まっている往診や訪問看護といった在宅医療の現場へ持ち出し、外出先で患者の医療情報や薬剤履歴を確認するといった使い方も好評を得ています。院内においても、受付の混雑緩和に向けたカードリーダーの増設やレイアウト変更、病棟での資格確認など、運用フローそのものを柔軟に変更できます」と水谷氏は語る。
最後に柳川氏は「これまでは中部地域を中心に事業を展開してきましたが、モバイル網を活用する本サービスにより、全国どこでも高品質な環境を提供できるようになりました。今後は全国各地のパートナー企業さまと共に拡販を進めていきたいと考えています。クリニックや薬局向けに電子カルテやレセプトコンピューターを導入しているベンダーさま、病院の保守を担う事業者さまなど、医療機関に最も近い場所で信頼関係を築いている事業者さまとつながりたいと考えています。本サービスの価値に共感いただき、共に全国へ販売を拡大していければ幸いです」と展望を語った。
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ICT推進本部
ヘルスケア営業部
ヘルスケアサービス企画グループ
兼 ヘルスケアアカウント1グループ
グループマネージャー
柳川 大貴 氏 -
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ICT推進本部
ヘルスケア営業部
ヘルスケアサービス企画グループ
課長補佐
水谷 優太 氏
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