PC-Webzine "from DIS" (2023年)

宿泊施設では、客室のテレビを通した動画配信サービスの閲覧を、サービスの一環として提供することがある。病院でも患者へのサービスのために、テレビから動画配信サービスを閲覧できるような整備を進めている。こうしたサービス環境を整えるには、通信環境の土台となるネットワークの構築が必要になるが、常に宿泊客や患者がいる環境ではケーブルを各室内に敷設する大掛かりな有線LAN工事は行いにくい。こうした課題を解決するのが、ゼクセロンが提供する高速同軸モデム「ZWXシリーズ」や、無線LANアクセスポイント「ZWA-1200M」、レイヤー2マネージドスイッチ「ZMS-G2012P」だ。

ゼクセロンは、法人向けネットワーク機器の開発・販売や各種電気通信設備工事の施工・保守などを展開している。その中で高速同軸モデムは15年ほど提供を行っており、長く取り扱い続ける背景をゼクセロン ソリューション事業本部長 日森 弦氏はこう説明する。「当社のお客さまの多数を占める宿泊施設や病院は、顧客へのサービス向上を目的に通信環境を整備したい方が多いです。しかし常に宿泊客や患者がいるため、施設の全範囲にネットワークを構築する工事の実施は容易ではありません。そうした課題の解決をサポートするため、既設のテレビ用同軸ケーブルを利用してネットワーク構築ができる高速同軸モデムを提供しています。定期的に業者による設備点検が行えず、ネットワーク機器の長期的な安定運用が求められる宿泊施設や病院から長年高い需要があり、取り扱いを続けています」

ゼクセロンの高速同軸モデム「ZWXシリーズ」は、親機の「ZWX-2000CM2」、子機の「ZWX-2000CS2」「ZWX-2000CSW2」の全てに最大通信速度が2Gbps（理論値）のチップセットを搭載している。ZWX-2000CSW2は無線LAN機能も搭載しており、追加でアクセスポイントを設置せずに無線LANが利用可能だ。工事のコストをかけず、短期間で高速なネットワーク環境を構築できる。

無線LANアクセスポイント「ZWA-1200M」も利用することで、安全な動画配信サービスの閲覧環境を提供できる。ZWA-1200Mは、AndroidスマートフォンやiOSデバイスの画面をテレビに映せる「ミラーリング」機能を搭載している。通常、ホテルでYouTubeなどの動画配信サービスの閲覧環境を提供する場合は、客室のテレビにあるアプリケーションを宿泊客に使ってもらうことが多い。しかしその場合、宿泊客が自身のIDやパスワードをアプリケーションに入力する必要があり、使用後のログアウトのし忘れによる個人情報流出の懸念が発生する。ZWA-1200Mを設置すれば、宿泊客の端末の画面をテレビに映せるので、個人のアカウントでログイン済みのデバイスから動画配信サービスを楽しめるのだ。

宿泊施設や病院では、専任のネットワーク機器の管理者を置くのが難しい。そのため、メンテナンスに手間がかからない製品が必要になる。そこで活用できるのが、ギガビット対応のPoE機能付きレイヤー2 マネージドスイッチ「ZMS-G2012P」だ。ZMS-G2012Pに接続されたPoE受電機器がフリーズした際、自動で再起動を行う「PD ALIVE」（接続端末死活監視）機能を備え、機器の復旧を自動で実施する。不調を起こした機器を人力で再起動する必要がないので、メンテナンスの労力を大幅に減らせるのだ。

日森氏はZWXシリーズ、ZWA-1200M、ZMSG2012Pの特長を次のように語る。「ZWXシリーズは、既設のテレビ用同軸ケーブルを利用するので、宿泊客や患者がいても短期間・低コストで高速なネットワーク構築が行えます。ZWA-1200Mは、全ての客室に設置すれば、宿泊客は電波の強弱を気にせず、快適に動画配信サービスを楽しめます。ZMS-G2012Pは、PoE受電機器がフリーズしても自動で再起動を行うので、ネットワーク機器の管理担当者の負担を減らせます」

最後に日森氏は、「各製品の特長をアピールしながら、新規の顧客へ製品を展開していきたいですね」と今後の展望を語った。