PC-Webzine "from DIS" (2021年)

福井キヤノン事務機は、1973年の創業以来、福井県内の企業の成長を支える事務機器のリーディングカンパニーとして先進性の高い商品を積極的に取り入れ、新しい事業への挑戦を続けている企業だ。2019年1月には、常に新しい何かを想像・創造するスペースとして「SL∞p」（エスループ）という名称の新社屋を設立。同社では、SL∞p内で新たな試みを行っている。それが、テレワーク体験型仮想空間「てれわくらぼ」の開設やオフィス見学「LIVEオフィスツアー」の開催だ。

働き方改革が推進されたことによって多くの企業で、業務の効率化、従業員が働きやすいオフィス空間の構築、テレワークの導入など、さまざまな取り組みが行われている。しかし、何から取り組めば良いのか分からないと悩みを抱える企業が多いのも実情だ。
「福井県内のお客さまから、業務改善のために何をすればいいのか分からないと相談を受けることが多々ありました。そうした悩みを抱えるお客さまに対して、業務改善に役立つソリューションを実際に体験する場所を設けて、課題解決の糸口を見つけてもらうというコンセプトで『てれわくらぼ』を開設しました」と福井キヤノン事務機 チームA 間所雅智氏は開設の経緯を話す。

てれわくらぼは2020年8月19日、SL∞p内に開設された。「事前予約制で、平日9～17時30分まで開催しています（土日祝日は非開催）。訪れたお客さまは、ペーパーレス化、RPA、リモートアクセス、Web会議ツールなどのさまざまなソリューションを体験できます」（間所氏）

てれわくらぼというテレワークを連想させる名称ではあるものの、テレワークに関連する製品だけではなく、ファクスの電子化といったオフィス内の業務改善に役立てられる製品も幅広くそろえている。「資料を読んだり、説明を受けたりするだけでは理解できないこともあるでしょう。実際に体験することで、『課題解決のために求めているツールであるのか』といった部分を見極められます。お客さまが抱える業務課題に応じた最適な解決策を共に考え、解決へと導いていきます」と同社チームA リーダー 鳥尾久美氏は説明する。

福井キヤノン事務機では、政府が働き方改革を掲げる以前の2014年から、ITシステム環境の構築と労働環境整備のための制度づくりを両輪に従業員が働きやすい環境づくりを行っている。そうした取り組みが評価され、「ふくい健康づくり実践事業所 知事賞」、「ふくい女性活躍推進企業優良活動表彰 企業部門賞」など数々の賞を受賞している。

福井キヤノン事務機の新社屋であるSL∞pも、ビジネスオフィスの枠を超えた「新たな価値を提供するスタイル」が取り入れられている。フリーアドレスで執務場所が自由に選べる「アクティブワークスペース」、従業員一人ひとりが好きなものや写真などを飾ってモチベーションを高められるスペース「モチベーションアップコーナー」など独自の取り組みで、従業員が働きやすい職場環境を構築している。

そんな福井キヤノン事務機の先進的な取り組みを実際に見学することができる。それが同社が開催する「オフィスツアー」だ。コロナ禍の状況を鑑み、2021年6月からはオンラインでSL∞p内を巡る「LIVEオフィスツアー」も実施している。「LIVEオフィスツアーによって、遠隔地からでも福井キヤノン事務機に訪れているかのような体験ができるようになりました。てれわくらぼと同様に、働き方改革や経営におけるヒントを得られる場所として、活用していただきたいと考えています」（鳥尾氏）

現在、福井キヤノン事務機では「DX×SDGs」というテーマのもとDXの推進とSDGsへの取り組みを進めている。「DXやSDGsは、ニューノーマル時代に限らずポストコロナ時代に求められるキーワードとも言えます。てれわくらぼやLIVEオフィスツアーなどの取り組み、日々の営業活動を通して、福井県内のお客さまのDX実現に向けたお役立ちを続けていきます。加えて、地域のさまざまな企業・団体・行政の皆さまや当社のパートナーさまと連携し、持続可能な地域社会づくりを進めます」と代表取締役社長 岩瀬裕之氏は意気込む。最後に今後の展望について「てれわくらぼやLIVEオフィスツアーでは“体験”を提供してきました。お客さまのDXのお役立ちとして、今後はスクール事業の展開を構想しています」と岩瀬氏は語った。