-2012年6月号-
DTPやWebを中心としたクロスメディア手法を武器に
DISグループ企業トップに聞く「2012年の課題と展望」C
ディーアイエスアートワークス株式会社
菊井 薫社長
ディーアイエスアートワークスは、雑誌やDTP・Web・動画によるクロスメディア手法の提案で成長を遂げており、CMSを中心システムとした「WebSmart」など独自サービスが好調です。
「ディーアイエスアートワークスはトータル・コンテンツ・クリエイター」と語る菊井薫社長に、今年の事業戦略をお聞きしました。
トータル・コンテンツ・クリエイターへと成長
ディーアイエスアートワークスもすでに7年を経過し、企業としてようやく軌道に乗ってきたところです。当初は雑誌PC-Webzine発刊が当社事業のほとんどを占めていましたが、その後、DTPや動画・CMSを連携させたワンソースマルチユースなトータルコンテンツソリューションが成長を遂げ、現在では全売上の70%を占めています。金額的にはPC-Webzineの売上も順調に伸びていますので、ソリューションビジネスが雑誌の成長を上回ったことになります。ディーアイエスアートワークスは、単なる制作会社から、企業目的の達成をサポートできるインテグレーターのような、トータル・コンテンツ・クリエイターとして進化しました。既に、大半の企業が自社のWebサイトを持つようになりました。それは、パソコン向け、携帯電話向けを問わず、いわば広告主が“自前のメディア”を運営している状況にあります。そのような中で、対象となるユーザーが、異なるメディアを横断する橋渡しの機能を企画・構築できる事が、コンテンツに付加価値を与えます。これは利用ユーザーの利便性向上や付加価値の向上を図るという当社の方向性が、時代環境とマッチした結果であると感じています。
もちろん雑誌PC-Webzineも大きな進化を遂げています。そのWeb版である「PC-Webzine.com」も日々進化を遂げており、紙の雑誌とWebというクロスメディア手法によるプロモーションが当社の特徴となっています。
今年はこのクロスメディア展開を強化する方針で、DISのBtoBサイト「iDATEN(韋駄天)」との更なる連携も予定しています。この連携によって、情報発信にとどまらず、必要に応じて技術サービスなども可能になるなど、新たなビジネス展開が可能と思えます。たとえば、PC-Webzineの記事の中で人気の高いDISランキングなども、i DATEN(韋駄天)と連携することでより間隔の短かい情報配信が可能になると考えています。
また新たな試みとしてPC-Webzine英語版を企画しました。周知のようにDISに対してさまざまな海外メーカーが強い関心を持っており、DIS発の情報が注目されています。そこで海外の企業や投資家向けに英語版オリジナルコンテンツを4月号に掲載しました。
コンテンツ作成においては当社の基幹であるCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)「WebSmart」が威力を発揮します。CMSとは画像やテキストなどのコンテンツ情報とレイアウトなどのデザイン情報や管理するためのシステム情報を一元管理できるシステムの総称です。あらかじめ雛形を用意した作成ツールで、ユーザーが、高品質なWebページを迅速かつ低コストで作成できます。ホームページは素人でも作成できますが、専門企業が作成したページと比較すると一目瞭然の違いがあります。しかし専門企業に依頼した場合、初期費用のほかに割高な保守・運用費用と更新のための時間が掛かるのが現状です。
そこで高品質なWebコンテンツをトータルに低コストで作成したい企業に向け、CMSを利用したコンテンツ作成サービス「WebSmart」を展開しています。
「WebSmart」のラインアップには、ローエンド向けのサービス料が月間3,980円からという「サクッパ」も展開しています。「サクッパ」は、画像を含むさまざまなテンプレート集を業界ごとに用意しており、ユーザー企業は望みのコンテンツが簡単に作成できます。
また今年上期には、7年間の業務の中で培ったノウハウやユーザーの声を反映し、当社自らが設計・構築した独自CMSのリリースを予定しています。根幹の部分は現在の「WebSmart」を踏襲し、よりフレキシブルな連携とカスタマイズが可能になります。
▲デジタルサイネージ
新たな「WebSmart」を応用することで、更新機能付きのデジタルサイネージシステムや展示会・セミナーなどの出展システム、キャンペーンプロモーションサイトなど特色あるラインアップを構築できます。
その中でも最近の注目株がデジタルサイネージです。当社はすでに大手メーカーと組んでデジタルサイネージ事業を企画していますが、CMSを使ったクラウド基盤が特徴です。つまりユーザー側としては表示端末を用意するだけで事足りるというもので、動画を含めたコンテンツ作成を当社が担当します。DIS営業にとっても魅力ある商材で、今後の成長が期待される分野です。
またダイワボウホールディングス傘下のカンボウプラスと提携したサイネージビジネスも順調に伸びています。看板業界に密着した企業と組むことで、IT企業からのアプローチでは振り向かなかった屋外広告業界も強い関心を見せるようになりました。看板など屋外広告のデジタル化は時代の流れと言われながら、期待ほどには進まなかった今までの状況が一変する可能性を感じます。
当社は紙媒体、Webコンテンツ、セールスプロモーションマテリアルという3つの柱を融合したクロスメディア展開を武器に、トータル・コンテンツ・クリエイターとして更なる進化を目指します。
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出展内容のお知らせ