閉じる

from DIS
月刊ITビジネス情報誌PC-WebzineからDIS関連情報をお届けしています。
 
-2013年4月号-
熊本県高森町で教育向けICT環境を整備 学力の向上や地域の発展にICTで貢献
DIS School Innovation Project シリーズ
2月22日、DISや教育関係組織が共同で推進しているICT 活用実証研究「DIS School Innovation Project」の選定校、高森中央小学校において事業開始式が開かれた。プロジェクトのキーマンが集結し、事業に対する期待や意気込みが語られたほか、導入したタブレットPCを実際に活用した授業も公開された。操作方法について、子供達は大人よりも飲み込みが早く、指示しなくても使いこなしているという。

高森町立高森中央小学校
創 立:2003年
           (高森小学校、色見小学校、上色見小学校の統合により創立)
住 所:熊本県阿蘇郡高森町高森1100
児童数:271人(全体/2012年度)
 
120台のタブレットPCを配備 電子黒板との相互利用を想定
欧州やアジア諸国の一部では、教育のICT化が積極的に進められている。例えば、隣の韓国は校務がオンライン化され、2014年からは小学校でのデジタル教科書の導入が進められる。日本は世界の先進国と比較しても教育の情報化に遅れをとっていることに危機感を持ち、教科課程のICT活用を前提とした環境整備と教職員の対応が求められている。

また、日本は、OECD(経済協力開発機構)の「生徒の学習到達度調査学力調査(PISA)」でも学力低下が課題とされており、21世紀を生きる子供達に求められる力を育む学びの環境として、教育の情報化を推進することが必要不可欠である。

そうした中でDISは、全国の小中学校や教育委員会、教育事業者などの協力を得て、これからの子供達に必要なデジタル社会を生きる力の育成に貢献するためのICT活用実証研究「DIS School Innovation Project」を実施する。公募で全国32校の実証研究校が決定されたが、中でも熊本県高森町では、町内小中全校である高森中央小学校、高森中学校、高森東小学校、高森東中学校の4校が選定されるなど市町村単位では全国最多となる。

高森町では、子供達のために開発された学習者専用のタブレット端末「CM1」120台をはじめ、教育用ソフトウェアなどICT活用環境がほぼまるごと導入される。ICT環境を活用し、学力向上や子供達の思考力、表現力、グローバル社会を生き抜くために必要な「21世紀型スキル」を育むとともに、産学官・地域社会との連携による教育環境の充実などを図るための実証研究が約2年間実施される。2月から高森中央小学校で順次導入が開始され、3月中に4校全てに配備される予定だ。

高森町は、人材育成や次世代のインフラ作りは高度な教育によって実現するという考えのもと、21世紀の子供達に求められる力やグローバル社会に対応する力を育むことを目指している。そのために、例えば高森中央小学校では、昨年の7月に単独の予算ですべての小中学校の普通教室に電子黒板が配備されるなど、ICTの導入に積極的だ。そして、今回のプロジェクトによるICT環境によって、電子黒板とタブレットPCの相互利用などが可能になるのだ。
 
事業開始式の様子
開始式では高森町長 草村大成氏、高森町教育委員会 教育長 佐藤増夫氏、DIS専務取締役 安永達哉氏の三名が登壇し、プロジェクトへの意気込みや展望を語った。三名の意見は、プロジェクトを成功させ、その取り組みを日本全体、ひいては世界に向けて発信していくという点で一致した。
 
 
CM1の贈呈を受ける草村氏   プロジェクトに対する思いを話す草村氏
「最新のICT 機器で教育を飛躍させたい」と意気込みを語る佐藤氏
 
公開された授業の様子
すべての普通教室で電子黒板を活用。グラフィカルな図表などを表示して分かりやすい授業を行っている。また、電子黒板に表示したデジタル教材を子供達に配布したタブレットPCに表示させ、子供達が書き込みや色分けなどを行っていた。教師は、「子供達は端末を初めて使ったときに大変喜んでいました。また、色の変更をこちらから指示する前に行うなど、操作方法の習得については大人よりも子供達の方が早いと感じました」と話す。
 
 
 
 
高森町の教育の合言葉は「変わる」ICTを活用し教育現場に変化を促す
2月22日には高森中央小学校において事業開始式が実施され、関係各所からプロジェクトを推進する上でのキーマンが集結した。

開始式に出席した高森町長 草村大成氏は、「次世代の子供達のことを本気で考えてプロジェクトに取り組み、ICT環境を確実に教育現場に定着させます。電子黒板とタブレットPCの相互的な利用によって、電子黒板の画面を各PCに表示したり、PCの画面を電子黒板に転送したりでき、授業を効率的に進められるようになります。子供達にとっても気持ちが学習の方に向きやすくなり、最終的には、それが学力の向上に寄与するものと考えています」と期待を寄せる。

DIS専務取締役 安永達哉氏は、「高森町の皆様と一緒になって今回のプロジェクトを成功させれば、熊本県全域のプロジェクトも必ずや成功できるでしょう。その実績、ノウハウを全国的に展開し、輪を広げることで日本全体のレベルアップが相互に可能になります。我々は、全力を挙げて取り組んで参ります」と意気込む。

市場傾向として、PCの価格が下がり導入のハードルも下がったが、教育分野は通常とは異なり、PCを導入したとしてもそのまま教育で利用できるわけではない。教育で活用するにはどのようなコンテンツを併用するのかも重要であり、ハード、ソフトの両輪で展開させていく必要がある。また、ICT機器には不具合の可能性が付きまとうが、教師が教育に専心できるように販売後のサポートも重要となるほか、各種のICTツールを授業でどのように利活用していけばよいかも含めて提案しなければ、即座に利用することはできない。こうしたノウハウを蓄積し教育のICT化に貢献するなど、今回のプロジェクトを推進することはDISにとって大きな意義がある。

また、高森町は新教育プランを作成し計画を進めているが、新教育プランには4点の狙いがある。1点目は高森の子供達の確かな学力と豊かな心を醸成すること。2点目は高森の地域力を活かし、地域とともにある学校づくりを推進すること。3点目は、高森町行政と連携した教育環境の整備を推進すること。最後が、教育の最前線に立つ教師の資質を高めるための高森町教育研究会の活性化を図ることである。こうした目的を果たすためにも、プロジェクトは有効であるという。

高森町教育委員会 教育長 佐藤増夫氏は、「『変わる』が高森町の教育の合言葉。ICTを活用することで授業が変わり、評価が変わり教師も変わります。子供達が変わり、そして学校が変わります。高森町は最新のICT機器を使って環境を整備し、学力向上を目指していきます。学びのイノベーションによって21世紀型スキルや情報活用能力の向上を図り、高森町の教育の大きな飛躍とすることを宣言します」と決意表明した。

最後に草村氏は、「ICT化による教育への効果など、必要なことは理解しています。実証研究を進めて結果を出し、出した時点で本格導入に向けて極力早く予算化を進め、全生徒一人ひとりが平等にICTを活用した教育が行えるよう、環境設計に務めます」と話した。
 
プロジェクトのキーマン達
 
過去記事一覧
DISブランド・イベント全開、「地域密着営業」に拍車
視て!聴いて!触れて!体感!!やまがたIT Summer2013
111ベンダーの最新ITテクノロジーに熱く燃える
販売店、メーカーとの三位一体で地域の新規ビジネス創出
出展内容のお知らせ
野上社長「全社員の成長で組織力の更なる強化を」
-2013年4月号-
熊本県高森町で教育向けICT環境を整備 学力の向上や地域の発展にICTで貢献
DIS School Innovation Project シリーズ
「DIS ICT EXPO 2013 Winter in 東京」
震災復興を通し東北の市況底上げ目指す
進化し続ける環境の中で現実的かつ最適なIT活用を提案
地域密着営業で東名阪の都市圏が牽引
DIS School Innovation Projectを発表!
出展内容のお知らせ
講演会・ITビジネス
セミナーのご案内