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from DIS
月刊ITビジネス情報誌PC-WebzineからDIS関連情報をお届けしています。
 
-2008年1月号-
DISわぁるどinしずおか
Discovery In Shizuoka 〜ITの鼓動を感じよう〜

DIS、今年も京都(9月)など2都市でわぁるど開催
大盛況の実績を踏まえ一段とレベルアップ
 
 DISは2007年に広島と静岡の二ヵ所で「DISわぁるど」を開催し大盛況を収めた。情報過多の時代にIT関連フェアが減少する中、本当に必要な最新情報を正しく伝える場の重要性を強く印象づけた。この成果を受けて、今年2008年も同じく2ヵ所での開催を予定している。1ヶ所目は京都わぁるどで、9月4〜5日に京都市歓業館みやこめっせ(京都市左京区岡崎)で開催する。主催事務局となるダイワボウ情報システム京都支店(安宅淑哉支店長)は既に昨年後半から諸準備に取り掛かっている。もう一ヵ所は、東京都下の三多摩地区を予定しており、現在日程を含め最終調整に入っている。


 京都支店の安宅支店長は「京都では初の開催ですので、地場のお客様を中心に期待は高まっています。伝統は、守る姿勢では継承できません。常に新たなものにチャレンジし続ける姿勢によって伝統を継承し発展してきたのが京都で、新たなものを取り込む気風が極めて強い土地柄です。DISわぁるどもこの京都で新たなチャレンジを行いたいと考えています」と、京都ならではの特徴を発揮したわぁるどにしたいと語っている。

 以下、昨年12月に開催した「DISわぁるど in しずおか」の模様を紹介する。

●ITは個性を発揮する時代に。
 従来の画一的な進化を脱してITはいま、さまざまな分野で大いに個性を発揮する時代になった。―11月27、28の両日、ツインメッセ静岡で開催された「DISわぁるど in しずおか」では、最新IT機器やシステムを一堂に紹介するという従来スタイルを脱却、ITの本当の使いやすさとは何かを各社がそれぞれの立場から提案し、新たなITの鼓動を感じさせる総合フェアとなった。

 80社を超えるメーカーやパートナー企業による出展ブースに加えて、セキュリティ対策から実践的な機器設定に至るさまざまなセミナーを用意、静岡県下最大級の新たなIT関連展示会として開催された。

 展示会場は大きく「PC&サーバ&情報家電」「パートナー」「ソフトウエア&セキュリティ」「ペリフェラル&ネットワーキング」の4つのコーナーと、ショートステージセッションを核とするDISゾーンで構成された。各社それぞれ独自に工夫を凝らしての出展だが、「ITによるコミュニケーションのあり方を独自に模索し提案する」という姿勢が共通しており、独自色がぶつかり合う中で新たな傾向が浮き彫りになった。
 会場中央のステージ横ではヤマハの協力によるエレクトーンの生演奏が行われ、来場者に憩いの一時を提供するなど、従来のIT関連フェアにない和らいだ雰囲気を醸し出した。

●地場企業が独自色を発揮
 静岡を中心とする地場企業がそれぞれの独自色を打ち出したのがパートナーゾーンだ。大手メーカーの商品を展示するのではなくあくまで自社オリジナルシステムをアピール、ムーブ、バージョン・ラボ、ティ・エイチ・アイ、グローバルワイズ、静岡情報処理センター、静鉄情報センター、TOKAI、ビッグ東海、サンロフト、静菱コンピュータ、カワイビジネスソフトウェアが出展、それぞれ得意とするシステムやサービスを紹介した。

ビッグ東海 静岡情報処理センター

 出展メーカー全体を通じた大きな傾向が、ITコミュニケーションの重視だ。今やコミュニケーション・ツールとしてITは不可欠の要素となり、コンテンツも画像が一般的になり、これを表示するハードウェアも大きな進化を遂げた。液晶ディスプレイやプラズマディスプレイの高性能・低価格化は広く知られるところだが、最近は進化の方向性に各社の個性が強く感じられるようになった。

●ディスプレイも個性を前面に
 パナソニック製58型フルハイビジョンプラズマTVを出展したパナソニックコンシューマーマーケティングは、動きの速い映像に対応する動画解像度などディスプレイの能力に加えて、この大型ディスプレイが威力を発揮する環境作りにポイントを置いた提案に力点を置いた。大画面による大迫力映像を実感するには型数よりも高さが重要であることや、パネルの強度や揺れ対策が重要であることなど、大型プラズマディスプレイ活用のコツを紹介、トップメーカーならではのノウハウを披露した。

パナソニックのプラズマディスプレイ 色覚シミュレーション(EIZO)

 各メーカーが出展した液晶ディスプレイについては、自然色の鮮明な復元という基本性能では各社横並びの状況で、独自色の打ち出しに各社とも苦慮している状況だ。その中で独自の方向性を打ち出しているのがナナオで、色覚障害者の見え方を健常者が確認できる「色覚シミュレーション機能」を紹介した。国内で300万人以上、世界で2億人以上いると言われる色弱者の不便を解消する「色覚バリアフリー」を目指すデザイナーや制作者用のツールとして開発されたものだが、コミュニケーションの重要な要素として色彩に着目、長年の画像処理ノウハウを活かした方向性として注目される。

●プロジェクターも新たな提案の時代に
 もう一方の透過型出力メディアであるプロジェクターについては、メーカーの方向性が比較検討できるという意味では国内初とも言える展示が展開された。。

 プロジェクターを単体ではなくディスプレイと併せた新たな映像ソリューションとしてアピールするのがNECで、両分野のバランスがとれたNECならではの戦略だ。

 また、スクリーンまでの投影距離が極端に短い短焦点プロジェクターを紹介化したのが日立製作所で、63cmの距離で80型画面の投影を可能にした。この近距離投影でも画像の歪曲は感じられず、プロジェクターは場所をとる、という従来の常識を覆す商品だ。短焦点を徹底して追及したことによってプロジェクターの新たな可能性を開く商品だ。

NEC映像ソリューション カシオの世界最薄プロジェクター

 厚さ32mmというカシオ計算機の薄型プロジェクターも個性的な商品だ。薄型ノートPCと一緒に持ち運べるプロジェクターとして機動性にポイントを置いたもので、世界最薄を標榜するだけに確かに薄く小さい。ちなみにこの最薄プロジェクターの80型画面の投影距離は最短2.2m、最長4.3mとなっている。カメラ部にデジカメを装着する入力装置も、B5ファイルサイズに折り畳める商品としてラインナップ、携行用プレゼンテーションに特化したシリーズとして注目を集めた。

 プロジェクター本体に紙資料の入力機能を持つ商品を提案したのが日本アビオニクスで、本体上面にスキャナを組み込むことにより、単体でパソコンレスのプレゼンを可能にした。今まで需用が高い割には商品のバリエーションが少なかったプロジェクターだが、ここにきてユーザーの要望を反映した新商品が次々と生まれていることがわかる。

●新たな成長期に入ったTV会議システム
TV会議システム展示
 ビジネス・コミュニケーションで注目されるTV会議システムについても、自社商品の個性を鮮明に打ち出す傾向が強くなった。TV会議システムは技術的にも市場的にも奥の深い商品だが、数あるIT商品の中でもその実情が意外に知られていない商品ジャンルだ。

 専用システムは使いやすいが高価、ソフト商品は低価格だが組み合わせや使い方が難しいというのが従来の一般的な認識だが、この認識も今は昔。今回の展示では、ポリコム、タンバーグ、ソニーなど現在の主流TV会議システムが顔を揃えたことによって、TV会議システムの現状と今後を判断する格好の機会となった。

 ポリコムやタンバーグなど海外の専用TV会議システムは信頼性も実績も高い。しかしソフトウェア商品に比較すると高価であり、専用システムとして他社システムとの連動性に欠ける点がネックとされる。
 この点について、海外メーカーの言い分は明確だ。つまり「TV会議システムとは、会議に人を召集するコストと時間を削減して経営効率を高めることが唯一最大の目的。この目的に向けて最大の効果を発揮するのが良いTV会議システムである」ということだ。
 初期導入コストが安かったり、既存のハード資産が有効活用できたりなど、ソフトウエア商品にはメリットも多いが、「それらのメリットはあくまで二次的なもの。最大の目的である会議のコストパフォーマンスを高めることを最優先に考えるべき」との指摘だ。この信念のもとにTV会議システムを提案してきた両社の実績が、専用TV会議システムの今後を判断する一つの手がかりとなる。

ポリコムTV会議システム

 専用TV会議システムベンダーとしても知られるソニーは、国産主力メーカーとして海外商品に対抗する独自戦略が特徴だ。ディスプレイ、カメラ、マイク、スピーカーなどTV会議機能のほとんどを盛り込んだコンパクト低価格のオールインワンモデルを発売するなど、商品面での工夫に加えて、「ブロードバンド構築などネットワークインフラからすべて提供する総合力」をアピールする。ソニーの法人専用ネットワーク「bit-drive」をビデオ会議に最適なネットワークとして提案するなど、手軽に簡単にTV会議システムを導入するための総合支援が最大のアピールポイントだ。

TV会議システム-ヤマハ
 以上有力3社とは異なった発想によるTV会議システムを提案するのが「音のヤマハ」で、TV会議システムの中心となる大型ディスプレイの上部に取り付ける専用装置が最大のポイントだ。16個のマイクと14個のスピーカー、3個のカメラを内蔵するこの装置は、言葉を発する人間をキャッチしてカメラとマイクをその人間に向け、話中の人間の画像と音声を正確に表現するというものだ。「相手側の微妙な反応がわかりにくい」という従来のTV会議の違和感を解消すべく開発したもので、オーディオのノウハウを駆使した商品である。

 1980年代にTV会議システムが一般企業で普及を開始して四半世紀を経過、各メーカーのアピールポイントが明確になったことで、TV会議システムは新たな普及期に入りつつあるように見える。

●「静音」対応もさまざま。
HPブレードサーバー
 ITの活用環境で特筆されるのが、「静音」への対応だ。小型のブレードサーバーなど最近はオフィスに設置することも少なくないことから、静音が重視される。コンピュータの稼働音の殆どは冷却ファンによるものだから、このファンをどこまで静かに回転させるかが静音対策のポイントになる。

 今回パソコンの静音効果を積極的にアピールしたのがレノボ・ジャパンで、ノートPC新製品に採用された「ふくろうの羽根(オウルブレード)のようなファン」が話題になった。回転するファンの先端に突起を施し、突起が生み出す「小さな渦」が、従来のファンで発生していた騒音の元である「大きな渦」を打ち消すという仕組みだ。同じ回転数ならよりノイズは小さくなる。従来と同じ大きさの音なら、より高速に回転させることができる。


IBMブレードサーバー
 ファン音ならパソコンよりサーバーが断然大きいが、サーバーを専用ルームに設置するなら音はさして問題ではない。しかし最近の小型省電力化によってサーバーをオフィスに設置するケースが増えると、サーバーメーカーにとっても静音は大きな課題となる。
 しかしサーバーのように発生熱量の多い機械を冷却するには、静音を優先するあまり冷却効果が薄れては元も子もないので、その対応は実はなかなかの難題である。

 「余力のある大きなファンをゆっくり回すこと」が静音の基本だというのがHPの指摘で、「いざ大きな熱量が発生した際にも対応できる冷却能力」がサーバーには不可欠だ。静音を商品の特長としてアピールするだけでなく、発生熱量によってはジェット機にも等しい騒音を発する場合もあるなど、アナログ技術である冷却ファンの奥は深い。静音一つをとっても、他では聞けない説明が行われ、来場者から高い評価を得た。

西日本営業本部 中部営業部長 栗川博昭
 今回の「DISわぁるど in しずおか」では、ご来場者の熱心な姿勢が印象的でした。最近の静岡ではこのような催しがなかったことも一つの要因と思われますが、ご来場者の機器選定への真摯な態度の表れを強烈に感じました。用意したパンフレットが初日の午後に足りなくなり、あわてて取りに戻る出展社様もあり、今回の手応えは当初の予想をはるかに上回る状況となりました。これもひとえに出展社様のご協力の賜物と深く感謝する次第です。
 各ブースでご説明いただいた出展担当者の方々の熱意も心に残ります。カタログで得られる説明に終わることなく、ご来場者の質問にユーザーの視点に立って懇切にご説明される姿を多くお見受けし、その場でご注文いただいた商談も少なくありません。当社の社員にとりましてもリアルでタイムリーな勉強の機会になり、重ねてお礼を申し上げます。
 とかくスピードが重視されるビジネス環境の中にあって、当社がお客様と一体となって取り組んでいきたいという気持が少しでもお伝えできたのであれば、今回の展示会は今後当社が果たすべき行動に多くを示唆する機会になったと確信しております。
 

 
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