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平塚市教育委員会が取り組む「奏プラン」のもと、子どもたちの学びを支える環境づくりを推進しておられる金子 誠教育長にお話をうかがいました。 |
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平塚市教育委員会
教育長 金子 誠 氏
昭和19年生まれ。
昭和43年4月、平塚市立神田中学校教諭となり、平塚市内中学校長、教育委員会学校教育部長を経て現職。 |
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平塚市DATA |
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【都道府県】神奈川県 |
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【人口/世帯数】256,440名/106,512世帯(平成27年4月時点) |
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【小・中学校数】小学校28校、中学校15校 |
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【児童・生徒数】児童13,527名、生徒6,643名(平成27年4月現在) |
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【備考】平塚市は、神奈川県のほぼ中央、相模平野の南部に位置し、背後には丹沢・大山山麓が控え、西方には富士・箱根連山を遠望できる四季温和な気候に恵まれたまちです。美術館をはじめ、充実した文化・社会教育施設とともに高い生産力を持った工業と農・漁業、そして商業がバランスよく調和しています。 |
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学校教育と社会教育の連携とそれを支える地域の教育力 |
―「奏プラン」の名称で策定された教育振興基本計画の「はじめに子どもありきの教育」・「豊かな人間性を育む教育」・「地域に根ざした教育」・「相互理解を基調とした教育」という4つのコンセプトを根底に据えた平塚市の情報教育への取組みについてお聞かせください。 |
28の小学校と15の中学校の43校がある本市は、高い生産力を持った工業と農・漁業、そして商業がバランスよく調和している地域です。毎年7月に開催される「湘南ひらつか七夕まつり」は歴史も古く、全国的に有名な観光行事です。
平塚市は、平成9年度からすべての中学校区に地域教育力ネットワーク協議会が設置され、学校教育への地域の協力体制が整えられました。この取組みは、平塚市の特徴の一つと言えます。また、「奏プラン」は、教育に関するさまざまな事業が、教育委員会事務局内部の機能的連携のもとにすすめられ、市民との協働によって豊かな生涯学習社会の実現に向かっていく姿を「協奏曲」に見立てたことから名づけられました。このように学校教育が地域と協働し、調和していくことをねらいとしています。
学びの主体である子どもたちが、いずれ平塚市の未来を築き、21世紀のグローバル社会を生きていくためには、情報活用能力の向上は重要です。平成23年度には小中学校の教職員に校務用PCが一人一台配備され、20代〜50代のすべての教員が日常的にICT機器を活用するという状況を、短期間で整えました。また、教育用のICT機器については、これまでパソコン教室を中心にデスクトップ型PCが整備されていましたが、更新時には移動可能なノート型PCに切り替えています。また、平成24年度には中学校全15校にノート型PCとプロジェクタ、書画カメラなどがバッグに入った「モバイルセット」を整備し、授業で活用されています。このように学校の現状を踏まえ、情報教育を進めています。
その一方、新たな取組みのために平成24年度から3年間でスタートしたのが、今回のDISのスクールイノベーションプロジェクトによる金目小学校でのタブレットPCを活用した実践でした。金目小学校では、「子どもが生き生きと取り組む楽しい授業を目指して−互いに認め学びに向かう力を伸ばす手立ての工夫−」という研究テーマのもと、教育活動を豊かにし、教員の指導力向上に向けての検証がなされました。全学年がICT機器を教育活動の効果的なツールとして日常的に活用した成果として、教員のICT機器活用の抵抗感が薄れたことが挙げられます。児童については、協働的な学習活動を中心に調べ学習・まとめ・発表活動など授業のねらいに応じて活用することで、学習意欲の向上や能動的な学習への取組みについて大変効果的でした。しかし、「思考力」「基礎力」「実践力」から構成される21世紀型スキルを十分に育成することができたとは言えません。
この金目小学校での検証により、校長、教頭を含む全教職員がICT機器を活用した学びに取り組み、情報教育への理解と経験が深まったことは大きな成果であり、これを市内の他校に広げていくことが今年度の重要な課題です。すでに、教育研究所に配備した80台のタブレットPCは、各校からの貸し出し要望が多く、調整に苦労しているのは喜ばしいことだと思っています。 |
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