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from DIS
月刊ITビジネス情報誌PC-WebzineからDIS関連情報をお届けしています。
 
-2014年4月号-
DIS ICT EXPO in 名古屋2014年/春
「2014年のオフィス環境を考える」に関心高まる
ダイワボウ情報システムが2月26日に名古屋市内のホテルで開催した「DIS ICT EXPO in 名古屋2014年/春」では、今回のテーマである「2014年のオフィス環境を考える」に沿った多彩な出展とセミナーが行われ、企業にとって大きな関心事である今年のITの流れと今後が浮き彫りになるなど、来場者の期待に応えるものとなった。
 
 
「2014年のオフィス環境を考える」というテーマを正面から取り上げたのが今回のセミナー群で、「マイクロソフトのサーバー&クライアント戦略─Windows Server 2003サポート終了への対応とOffice 365による業務改善」(日本マイクロソフト業務執行役員 中西智行氏)、「もうパソコンは終わってしまうのか?─激変のIT事情。2014年はこうなる!」(アバンギャルド代表取締役戸田覚氏)、「社内から社外へ─PCからタブレット・スマートフォンへと進化するMicrosoft Office 365」(ピーピーティー 濱田志門氏)、「お客様と店舗をつなぐO2O戦略ソリューション『スマートプッシュ』─無線LAN位置検知AirDefenseを活かしたO2Oソリューション」(モトローラ・ソリューションズ 内田修氏)、「今でしょ世代交代 PCの次はサーバです─今そこにある機器、実は危機かも?」(日本ヒューレット・パッカード 松尾数正氏)というタイトルからも明らかなように、多くの企業にとって緊急の課題である今年のITの流れとその対処について、極めて具体的な説明が行われた。
 
ハード・ソフト両面でのBCPを提案
展示ブースでは、ITの最新トレンドをベースに各地域に応じた最新のソリューションを紹介するという基本構成は今春開催された一連の「DIS ICT EXPO」に共通するものだが、今回は中部地域での開催ということで製造業をはじめとする地域に見合った適材適所のソリューション展開が特徴となった。

ITシステムは半導体をベースとすることから、その展示においてもダイナミックな動きは少なく説明中心の紹介が一般的だが、この通例を破ったのが免震モジュールを出展したTHKで、人の背丈をはるかに超える大きなラックが震災に耐える様子を実演した。地震を模したダイナミックな振動が装置に加えられ、これに対して稼働中の機器群を底辺で支える免震モジュールの役割が一目瞭然で、注目度の高い展示となった。搬送装置の必須部品であるLMガイドなど基幹パーツの専門メーカーとしてメカトロの世界では広く知られるTHKだが、1995年の阪神大震災を機に免震分野に本格参入したとのことで、3年前の東日本大震災後はITユーザーからも広く知られる存在になった。ちなみにTHKの本社は東京だが、創業社長が岐阜県出身とのことで、ビジネス的にも中部地域への愛着は強いという。

免震装置への関心の高まりにも見られるように、被災時のBCP対策をいかに実現するかが近年のITにおいて大きな課題となっている。免震と並ぶ重要な物理的課題が電力であり、通常の電力が停止した際に蓄電池に切り替えるUPSについてはかなり普及が進んでいる。UPSは停電時に瞬断なく電力源を蓄電池に切り替える機器として広く知られるが、問題は蓄電池そのものの性能である。被災時対応の大容量長寿命蓄電池として静かなブームを呼んでいるのがソニーの業務用蓄電池で、外観は単なる黒い箱であり免震装置のように動きがあるわけではないが、現時点での先端をいくリチウムイオン蓄電池として来場者の関心は高い。リチウムイオン蓄電池を世界で初めて実用化したのがソニーであることは知る人ぞ知るところだが、今回の出展においてはAC100V電源との接続だけでなく、太陽光パネルからの直接接続にも対応してDC-DCでの変換ロスのない急速充電をアピールするなどこの分野における地力の一端を見せた。ユーザーが気になる電池寿命については、室温(23℃)で1日1回の充放電を行った場合、10年間は大丈夫とのことだ。

免震や電源などハード面でのBCPと並んで重要なのが、データをはじめとするソフト面での安全性の確保であり、今回の展示においても、オンラインストレージやクラウドバックアップ、ストレージ仮想化など、クラウド活用がBCP対策としても有効であることが各ブースで紹介された。ハード商材とは違ってこれらは物理的な形を持たない商材だが、来場者の関心は極めて高い。クラウドが話題性の時代を過ぎ、各販売店にとって必須のビジネス商材として意識されている様子がうかがえる。

製造業に向けたソリューションとして注目を集めたのがCADソフトベンダーであるA&Aによる3Dプリンター(機材提供:武藤工業)の実演である。製造業における3D-CADの普及は目覚ましいものがあり、このデータが製造装置に結びつくことによる効果は言うまでもない。しかし製造に着手する前の不可欠の作業として、3D-CADで設計したデータを実際に検証するためのモデリング作業が必要で、これをいかに自動化するかが多くの製造業にとって課題となっていた。3D-CADデータから実際に3次元形状のモデルを作り上げていく3Dプリンターが注目されるゆえんで、目の前で3次元モデルが生成されてゆく実演への関心は高い。

来場者の話によると、今年のオフィス環境を考える上で緊急の課題となっているのが新OSへの移行だという。これは昨年から言われ続けていることでもあり、企業ユーザーの殆どは完了しているような雰囲気が一般化しているが、現実は違うという。コストや手間などさまざまな理由はあるにせよ、OS移行に取り残された企業は今年に入ってさすがに焦りを感じている。これらの企業に対してクラウドが威力を発揮するとのことで、クラウド上にも日々のデータを蓄積するようにして、準備ができた段階でこれを正データとして戻せば失敗を恐れることなく移行に踏み切れる。移行に取り残されないための具体的な解決策を得るという意味でも、今回のイベントの意味は大きかった様子だ。
 
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