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来場者の課題解決に直結する内容で注目を集める |
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企業活動にとっていま本当に必要なICTとは─ダイワボウ情報システムが2月13日に大阪市内のホテルで開催した「DIS ICT EXPO 2014 Winter in 大阪」では、最新の技術や製品を紹介するレベルを超えた具体的かつ実践的なICT活用法が各企業のビジネス環境に応じた形で紹介され、来場者の課題解決に直結するイベントとして注目を集めた。 |
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多数の来場者が集まったICT EXPO 2014 Winter in 大阪 |
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技術進化の激しいICT分野においては、出展各社が新技術とその応用に力点を置くのに加え、その新技術をどのように活用すればビジネスにつながるのかが企業にとって大きな問題だ。この問題を解決すべく、各ベンダーが得意とする技術分野について、業種・業態・地域・規模などそれぞれの企業のビジネス環境を想定した上での提案に力点を置いたことが今回のイベントの大きな特徴である。
例えば、最近のICTイベントにおける常連メニューとも言えるサーバー仮想化についても、仮想化とは何かという説明は影を潜め、それぞれの企業に応じた仮想化のあり方や仮想化を進める上で注意すべき点など、より実践的な提案が行われた。またVMwareをはじめとする仮想化ベンダーに隣接して、ストレージの仮想化を提案するブースが設けられるなど、来場者が見やすく、出展社にとっても連携を行いやすいレイアウトがとられた。
サーバー仮想化が一極集中なら、ストレージの仮想化はネットワークに分散設置されたストレージの有効活用を目指したもので、分散処理の集中管理ということができる。ハードディスクやNAS、SAN、さらにはSSDやUSBメモリに至るさまざまなストレージが氾濫してネットワークにつながる最近のICT環境において、それぞれのストレージが本当に有効活用できているか否かがわからないことがユーザー企業の大きな悩みであり、この課題に正面から応える形でのストレージ仮想化提案となった。DISブースではVVAULTなるストレージ仮想化ソフトをベースとした提案を行い、多数のストレージを抱えるユーザー企業の課題解決にポイントを置いたことで来場者の関心が高いコーナーとなった。
ICTビジネス環境の中、タブレットPCやスマートフォンなどの人気デバイスについてもPCの歴史を見ても明らかなように、話題性が一段落してから本当のビジネス需要が立ち上がることを考えると、これら人気デバイスのビジネス活用はこれからが本番と言える。今回のイベントにおいてもDIS Windowsタブレット推進センターのブースでは「Windowsタブレット ビジネス活用ガイド」を作成・配布するなど用途提案に力点が置かれた。
プリンタメーカー各社は、プリンタ新製品をアピールするという形に留まらず、プリンタ以外のソリューション提案にも力点を置いた。カードプリンタに力点を置いたのがキヤノンで、これはプリンタの範疇には入る商品ながら、販売台数的にも用途的にも一般プリンタとは異なる商品と言える。簡単に低コストで美しい名刺が必要な枚数だけ即座に作れることが特徴で、名刺や各種カード専用となるニッチな商品ではあるが、量販の店頭などでは目にしない商品だけに来場者の関心は意外に高く、特定の需要に対する現実的な提案の強みを感じさせた。
エプソンブースでは、製造業を主力対象にビジネスプロジェクターの提案が注目を集めた。電子黒板のようにプロジェクターで黒板に投影するのではなく、机の上に投影する、つまり投影板を地面に対して垂直に置くか平行に置くかの違いだが、この違いが活用の幅を大きく広げることになる。設計図を机の上に投影してこれに必要データを書き込みながらの遠隔地会議などで大きな威力を発揮する。学校だけでなく製造業の要望にマッチさせるなど、提案次第で市場が拡大する一つの例と言える。
加えて関心をひいたのが、衣装試着シミュレーションシステム「バーチャルファッション」である。好みのドレスを選ぶだけで目の前の大型ディスプレイにこれを試着した自分の姿が表示されるというシステムで、腕を上げたり回転したりなど身体の動きに応じてドレスも自然に翻るという優れものだ。衣装の試着の模様をデジタルで再現する画期的なシステムとして、すでに店頭の試着などで評価を高めているとのことだが、各種イベントでの集客にも大きな威力を発揮すると期待されている。
DISでは2014年も各地でイベントの開催を予定しており、最新の技術をビジネスに繋げるための課題解決の場として期待が高まっている。 |
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関心をひいた「バーチャルファッション」DIS デジタルサイネージブース |
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