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「ピッケのつくるプレゼンテーション」 |
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各方面で高い評価を受けている「ピッケのつくるえほん」で実際に作った絵本。
今回の新製品にもノウハウが活かされている。 |
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ダイワボウ情報システム(DIS)の「School Innovation Project」は、小中学校におけるICT活用を実り豊かなものにすることを目指すプロジェクトとして着実な普及を見せています。市販のハードやソフトを単に組み合わせるのではなく、今後の教育にとってICTが果たすべき役割とは何かを追求しつつ最適の環境を提供していくことが特徴で、既存の知名度に左右されることのない斬新なプロダクト構成には定評があります。DISがこの11月に発売した新製品「ピッケのつくるプレゼンテーション」(開発・グッド・グリーフ)もその一つで、「子供達とICTとの出会いを実り豊かなものにする」ソフトとして教育市場に大きなインパクトを与えています。 |
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世界で一番やさしくて、つくるのがとても楽しい
プレゼンテーション作成ソフト |
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株式会社グッド・グリーフ
代表取締役 朝倉 民枝 氏 |
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「ピッケのつくるプレゼンテーション」は、グッド・グリーフがインテルの支援を得て開発しDISが販売する学校向けプレゼンテーション作成ソフトです。「世界で一番やさしくて、つくるのがとても楽しいプレゼンテーション作成ソフト」(株式会社グッド・グリーフ 代表取締役朝倉民枝氏)として、子どもの意欲を引き出し、考える力、まとめる力、表現する力、発表する力を高めるように工夫されています。
スライド編集ページには、プレゼンテーション作成に役立つキャラクターやアイテムが豊富に用意されています。さまざまな可愛いキャラクターの顔の表情を選び手や足を回転させてポーズを付けられるなど、直感的に操作できるピッケ独自のユーザーインターフェースが特徴です。これにより、子どもの発想を促し、思いや考えを途切れさせることなく表現することができ、低学年や特別支援の児童でも簡単にプレゼンテーションを作成することができます。写真や文字による表現にとどまらず、キャラクターやアイテム、デジタル積木や地図マークなどを組み合わせることで、表現方法の選択肢が増え表現の幅がさらに広がるので、低学年から高学年まで、発達段階や学習目的に応じた表現豊かなプレゼンテーションを創造させたいという先生方の要望にも充分に応えることができます。
自分の考えをまとめ表現し、仲間とコミュニケーションしながらの学び合いの中で新たな気づきを得てさらに学びを深めていく。その支援のために、誰もが使いやすい操作環境と仕組みを提供する--これが「ピッケのつくるプレゼンテーション」の基本です。ひとり黙々とプレゼン資料を完成するというような従来のプレゼン作成ソフトとの方向性の違いは明らかです。「ピッケのつくるプレゼンテーション」は、単に見栄えの良いプレゼンテーションを作ることが目的ではなく、自分の考えを深め、まとめ、それをいかに工夫して相手に届く表現として伝えるかを大切にしています。
「ピッケのつくるプレゼンテーション」の操作概要としては、パソコン(キーボード+マウス)およびタブレットPC(タッチ/ペン入力)のどちらでも操作可能。ソフトキーボードと手書き機能により、キーボードに不慣れな低学年でも簡単に文字入力できる。キャラクターやアイテムはすべてパーツ化しており、これらを組み合わせることで自在に表現できる。JPEG、PNG、GIFなどによる画像ファイルの取りこみ、PDFや連番画像への書き出しが可能。スライド一覧ページで、プレゼンテーション全体を俯瞰して編集できる。スライドショー付加機能(ペンツールとスクリーンショット)により発表プレゼンへの書き込みや記録が可能--などが挙げられています。
このソフトの特徴を一言でいうと「誰もが使える直感的操作による親しみやすいプレゼンテーション作成」ということになりますが、実は「子どもとICTとの出会いを実り豊かなものにするソフト」(朝倉氏)であるところに最大の魅力があり、教育の現場で注目を集める最大の理由もここにあるようです。 |
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「子どもとICTとの出会いを実り豊かなものにする」
ためのソフト開発を目指す |
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「子どもとICTとの出会いを幸せな実り豊かなものにする」ためのソフト開発は、SGI全盛時代(米Silicon Graphics社)から3DCGデザイナーとして活躍してきた朝倉氏のライフワークとも言えるもので、2002年にはWebサイト「ピッケのおうち」、2008年にはお話づくりソフト「ピッケのつくるえほん」を発表しました。これらの経験をベースに、DISとのパートナシップによって教育市場にターゲットを絞り込んだプロダクトが「ピッケのつくるプレゼンテーション」です。
朝倉氏がWebサイト「ピッケのおうち」を計画した2001年当時は、一般家庭にもPCが普及し、子どもがはじめてPCを使い始める年齢が下がってきていました。しかしまだ、幼い子どものためのコンテンツがあまり存在せず、お勉強のための知育ソフトか戦う系のゲームが主流でした。子どもにとってICTは悪であるとされる一般的な風潮に対して、「これはPCにとっても子どもにとっても不幸なこと」と朝倉氏は大きな違和感を持ちました。ゲームそのものが悪いわけではありませんが、子どもがはじめてITに触れる際にゲームしかないという環境をまず変えないことには不幸な状況は変りません。それならまず自分から行動を起こそう。「これからの子どもたちはICTと生涯つきあっていくことになる。その最初の出あいを幸せなものにしたい」。そう考え、小さな子どもが親と一緒に絵本の読みきかせを楽しむように利用できるようにと開発したのがWebサイト「ピッケのおうち」です。
「ピッケのおうち」は、バーチャルな環境を提供しながら、両親をはじめとする周囲の人々とのコミュニケーションを重視していることが最大の特徴です。つまり、親が忙しいから子どもをPCで遊ばせるのではなく、あくまでも親と一緒に楽しめる環境を提供することを重視しています。親が子どもに絵本を読んであげるような感覚で使えて、しかも話を聞くだけでなく、自分で判断して対応していけるように工夫されています。
2008年に投入した「ピッケのつくるえほん」は、その名の通り絵本を作るためのソフトで、現在はPC版とiPad版が発売されています。これもコミュニケーション重視の方向性は同じで、お父さんやお母さんと一緒に、画面上の簡単な操作で自分達でストーリーを考えて絵本を作っていくというもので、出来上がった絵本をプリントすれば、世界で1冊だけのオリジナル絵本を作ることができます。Webサイト「ピッケのおうち」とリンクすることが可能で、コブタのピッケや仲間たちなど「ピッケのつくるえほん」に登場するキャラクターは「ピッケのおうち」の仲間たちと同じです。
このソフトの最大のポイントは、実際に紙の絵本として完成できるということです。ストーリーやキャラクターを画面上で展開するだけではなく、実際に紙の絵本を作って手に取ってみることで、子ども達は大きな達成感を得ます。自分で実際にモノを創り上げる楽しみは格別の様子で、実際に出来上がった絵本を見ると、ストーリーもページ展開も、既成の絵本にはない斬新さが感じられます。定期的に開催しているワークショップにおいても「出来上がった絵本を見るのが大きな楽しみ」と朝倉氏が言うように、子ども達の創造性が如何なく発揮されており、子どもだけでなく大人にとっても「ICTとの出会いが実り豊かなもの」になっているようです。このワークショップは現在も各地で開催中で、ピッケのホームページ(http://www.pekay.jp/ja/house/report0.html)にその詳細が報告されています。
DIS、インテル、グッド・グリーフの3社は「ピッケのつくるプレゼンテーション」の発売を記念して、これを活用した「小学校ICT活用授業 児童のプレゼン力コンテスト」を開催中です。
応募対象は小学校の教職員で、コンテストの応募者には、来年4月30日まで有効のライセンスキーが発行されます。
コンテスト詳細は次のページでご覧いただけます。http://pekaypresen.jp/(終了) |
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タブレットPCで手書き入力が可能な「ピッケのつくるプレゼンテーション」。低学年の児童でも思った通りの表現が可能になる。 |