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PC-Webzine "from DIS" (2023年)

2023年05月号

PARTNER TOUR 食品製造業の生産管理の負担を軽減「MACCA」

北海道函館市に隣接する七飯町に本社を構えるミュートネット。地方企業が抱える経営課題に向き合い、持続的成長に向けて「お客様の声をカタチにする。」という理念の基、函館地域を中心にDX経営を支援している。ITを活用した経営力強化を行うDX経営コンサルティング、自社開発ソフトの販売・管理、インターネット関連事業、PC・OA機器販売などを展開してきた同社が販売に力を入れているのが、食品製造業向け生産管理システム「MACCA」(マッカ)だ。

HACCP対応が急務

食品製造業における生産管理の方法は、事業規模などによってさまざまだ。特に事業規模が小さい地方の食品製造業では、膨大な機能を有する大規模企業向けの生産管理システムは扱いにくく、各企業向けにカスタマイズされたシステムを活用するケースが多い。
各地方産業のシステムが異なる一方、厚生労働省では食品衛生法を改正し、令和3年6月1日から衛生管理の基準を統一する制度を定めた。原則全ての食品等事業者の衛生管理をHACCP(危害:「Hazard」、分析:「Analysis」、重要:「Critical」、管理:「Control」、点:「Point」の頭文字を取った造語)に沿って制度化した改正だ。元々は米国のアポロ計画の中で宇宙食の安全性を確保するために発案された衛生管理手法で、これが次第に広まり、食品等事業者は衛生管理を従来よりも正確に行う必要が生じていた。函館地域にDX経営などを展開しているミュートネットにも地元の企業からの相談があり、食品製造業向け生産管理システム「MACCA」を開発したという。

同社 常務執行役員の猿舘 新氏は当時の状況をこう振り返る。「MACCAの開発は、函館で昆布などを生産する水産加工業者さまからのご相談がきっかけでした。世間の流れとして衛生管理を統一するHACCPが義務化したものの、定常業務に追われ、食品製造の衛生に関わる生産管理システムの刷新が追い付いていなかったのです。この衛生管理を統一する製品として、大規模企業向けのパッケージ製品が発売されています。しかし、大規模企業向けの製品は、小規模な企業さまでは専任のIT担当者が不在であったり、コスト負担が大きかったりといった問題があります。MACCAでは、専任のIT担当者が少ない、あるいは不在の企業の食品製造業務に関する記録や工程の可視化をサポートします」

MACCAは食品製造業全般を対象としており、小規模向けの製品のため、近隣地域の従業員数が少ない食品製造業者にも提案できる機会の多い製品だという。製造日報から従業員の衛生チェックに至るまで、全ての記録をPCもしくはタブレットで行えるため、アナログ管理による異物混入の可能性を軽減する。従来活用していた販売管理システムなどのマスター情報はMACCAにインポートしてデータを引き継げる。固定情報が全て入力された状態からスピーディーに運用を開始できるのだ。

製造日報内のデータを容易に探し出せる「日報検索機能」も備えている。万一のインシデント発生時には、該当日や原料、製造ラインなどの単語を検索すれば即座に日報の一覧表示が可能だ。

食品ロスや発注ミスを回避

食品製造業でMACCAを活用するメリットは、衛生管理だけではない。「原料、半製品、製品などの出庫・賞味期限管理をデジタル化することで、期限の短いものを確実に消費できます。賞味期限切れによる食品ロスの削減は、 SDGsにもつながるでしょう」と猿舘氏は語る。  「導入の流れとしては、企業さまが解決すべき課題などをヒアリングしてMACCAが合致する場合、コンサルティングを含めた導入提案を進めていきます。クラウドとオンプレミス両方の運用形態に対応しますので、地理的な都合上、インターネットがつながりにくい状況にはオンプレミスでサーバーを活用する方向を提案しています。企業さまの要望に沿って運用形態を変更できる設計です」

最後に猿舘氏は、「システム刷新に課題を抱える函館地区の食品製造業の企業さまを中心にMACCAを拡充し、HACCP対応や生産管理の効率化などに貢献していきます」と今後の展望を示した。

  • 常務執行役員
    猿舘 新 氏

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