ダイワボウ情報システムは国内最大級のIT専門商社です。

ダイワボウ情報システム株式会社

企業情報

PC-Webzine "from DIS" (2022年)

2022年10月号

PARTNER TOUR 計算基盤の構築を自動化して導入をサポート「科学技術計算ライブラリ搭載クラスタ」

CGアニメーション、3D CAD、AR、VRなど高速かつ高精細な画像処理を実現するために用いられるのが、膨大な演算処理を得意とするGraphics Processing Unit(GPU)だ。並列処理の計算に優れていることから、近年ではAI技術の実現・実用化に欠かせないディープラーニング、工学分野における科学技術の計算などでの活用も進み、利用を検討する企業が増えている。しかし、実際にGPUを用いて計算基盤を構築するとなると、環境設定が複雑で戸惑うケースは少なくない。そうした課題を解決するべく、日本ビジネスデータープロセシングセンター(以下、日本データー)が開発するのが、「科学技術計算ライブラリ搭載クラスタ」である。

構築の工数と負荷を削減

日本データーの創業は1968年。“すべては、ひとから”をスローガンに掲げ、時代の変化やニーズを嗅ぎ分けながら、地域、社会、企業の課題に寄り添ったシステムの提案から運用保守までワンストップで提供している。現在は、ITソリューション、医療関連、公共福祉、AI・ロボティクス・IoTの四つを軸に事業展開し、成長を続けている。
「ITソリューション事業では、システム全般にわたる専門技術を身に付けたエンジニアをそろえ、ITインフラの構築やシステムの運用設計・構築・オペレーション、先進的な技術開発まで幅広く取り組んでいます。そして、今回新たに行うのが、大学と共同で進める『科学技術計算ライブラリ搭載クラスタ』の開発です」とシステム事業本部 ICTソリューション部 部長 塚本岳彦氏は話す。

科学技術計算ライブラリ搭載クラスタは、GPUを用いる計算基盤の環境を自動で構築できるソリューションだ。AI技術の実現・実用化に欠かせないディープラーニングや工学分野における科学技術の計算など、ニーズの高まるGPUを活用した計算基盤環境の構築をサポートする。「GPUを用いる計算基盤の環境を構築するためには、計算基盤環境用のOSやGPUのデバイスドライバーのインストール、『Kubernetes』や『Docker』などのGPUに対応したコンテナ環境の用意、『TensorFlow』『Keras』をはじめとするライブラリや『Pytorch』といったフレームワークのインストールなどさまざまな準備・セットアップが必要です。ゼロから作業を開始すると、膨大な工数と労力がかかってしまいます。これらの作業を自動化することにより、短期間での環境構築が実現できます」(塚本氏)

計算基盤を一括で導入

日本データーは「Red Hat Ansible Automation」を活用したサーバー構築やシステムの自動化、大学との共同研究によるディープラーニングを活用した医療系システムの開発など豊富な実績を持つ。「今まで培ってきた自動構築の知見と技術、大学との共同研究などの経験を生かし、科学技術計算ライブラリ搭載クラスタの開発を進めています」と塚本氏。

科学技術計算ライブラリ搭載クラスタの特長は、計算基盤環境用のOS、コンテナ環境、ライブラリやフレームワークといったGPUを用いる計算基盤の構築に必要な環境を全て一括で導入できることだ。また、機器の選定、購入、システム納品、長期の運用保守に至るまでワンストップで提供を行う。「自動化によって、作業者の負担を軽減するだけではなく、環境構築にかかる膨大な時間を短縮し、短期間でスムーズな導入が可能になります。作業者による品質差異のない、安定した環境を提供します」(塚本氏)

本製品の今後の予定と意気込みについて塚本氏は「現在、日本データーでは科学技術計算ライブラリ搭載クラスタのリリースに向けて準備を進めています。計算基盤は、研究機関だけではなく、自動運転技術、金融や農業など多くの分野で活用が期待されています。ダイワボウ情報システムさまと共にGPU計算機の分野におけるシェア獲得を目指していきます」と語った。

  • システム事業本部
    ICTソリューション部
    部長

    塚本 岳彦 氏

image.php?file=from_dis.309.1.jpg

月刊ITビジネス情報誌「PC-Webzine」では、DISグループの最新情報を「fromDIS」というコーナーで掲載しています。こちらのページでは「fromDIS」に掲載されたトップニュースなどを一部ご紹介しています。
また、「PC-Webzine Degital Book」では、本誌掲載記事を電子bookでご覧いただけます。合わせてご覧ください。