PC-Webzine "from DIS" (2022年)

国内でDXを指向する企業が増えるとともに、データをビジネスに活用するニーズが高まっている。例えば、小売店舗に向けてカメラ映像から通行客の分析を行うツールが提供されている。しかし、そうした分析ツールはシステム構築や運用が煩雑になりがちだ。また、契約書など書類管理のDXとしてOCRサービスなどを活用するケースがあるが、認識精度が低い製品もあり刷新が遅れている企業も少なくない。これらの課題を受け、DXGoGoでは小売店舗の人流分析に対して「OPTiM AI Camera」を、契約書のデジタル化に向けては「OPTiM Contract」を提供している。

DXGoGoは、2021年5月にKDDIとオプティムが共同出資を行い、企業のDX・loTに関する商品企画およびビジネス開発を支援する会社として事業をスタートした。同社ではユーザー企業のニーズである「聲（こえ）」に対し、デジタルを用いて解決施策を提案してきた。DXGoGo 代表取締役副社長 池澤洋一氏は、同社が提供する、オプティムのクラウドAI画像解析サービス「OPTiM AI Camera」をこう説明する。「OPTiM AI Cameraは、ネットワークカメラで録画した映像をAIで解析し、小売店舗や大型施設の通行客の人数検知や混雑検知が可能です。カメラに映った通行客を自動でマスキングするAI機能を備える点が強みで、個人情報に配慮して容易に人流を分析できます」

OPTiM AI Cameraを中小企業が導入する場合、ネットワークカメラやモバイルバッテリー、USBケーブル、Wi-Fiルーターなどと併せた提案が有効だという。一時的に施設や会場に集客するイベントでも容易に導入して瞬時に効果測定を実現する。

また、契約書などのペーパーレス化の課題に対し、DXGoGoではオプティムの契約書管理のSaaSサービス「OPTiM Contract」を提供している。OPTiM Contractの導入メリットを、池澤氏はこう説明する。「OPTiM Contractでは、契約書をスキャンしてデジタルデータとして取り込み、契約者や契約期間をAIで自動判別して抽出できます。また、契約の執行漏れを自動で判別して担当者に通知する機能も備え、契約切れの防止に役立てられます。また、2022年1月に『電子帳簿保存法』（以下、電帳法）が改正され、契約書をデジタルで管理する動きが進んでいます。法改正を受けて、OPTiM Contractは電帳法の認可を取得した製品となっています。従来、大企業では倉庫を借りて書類を格納したり、中小企業ではキャビネットの中に大量に契約書を保管したりという状況も多かったのですが、OPTiM Contractではそうしたデッドスペースを解消し、社内スペースを有効活用できます」

一般的なOCRサービスで契約書などの紙をスキャンしてPDF化すると、データが少し歪んでしまい誤って変換されるケースがある。OPTiM Conractは、文字が曲がった状態のデータでもAIが精密に文字を判別するため、手戻りを減らして契約書業務を進められる。

中小企業へのDX提案を進めるDXGoGoは、今後どのような販売戦略を構想しているのか。DXGoGo 代表取締役社長 岡田圭之介氏は、「当社では、強みであるソリューションをお客さまに売り込むことより、お客さまのニーズに沿ってソリューションを提供するという企業意識を強く持っています。ダイワボウ情報システムさまのライセンス管理システム『iKAZUCHI（雷）』や電子商取引システム『iDATEN(韋駄天)』へ掲載させていただく中では、値段や機能、導入に際して生まれるご意見・ご相談に柔軟に応えていきます。また、お客さまからの反響が生まれるような施策をダイワボウさまとともに提案していきます」と意気込みを語った。