閉じる

from DIS
月刊ITビジネス情報誌PC-WebzineからDIS関連情報をお届けしています。
 
-2010年9月号-
「DISわぁるどin長崎」充実の2日間を体感!
3D、仮想化、クラウドなど話題のITを一堂に紹介
 
話題の3Dディスプレイはどこまで使えるのか、企業力に直結する仮想化はどのように実現するのか、クラウドは企業にとってどのような意味を持つのか。7月14、15の両日、長崎市内のホテルで開催された「DISわぁるどin長崎」−最新のIT機器を“さるいて体感!”では、話題のITシステムを一堂に紹介しながら今後の可能性を追求するとともに、充実したITセミナーと合わせて来場者の熱い期待に応えました。以下、長崎の燃えた2日間をレビューします。
 
「豪雨・悪天候にもかかわらず、長崎県を中心に2日間で千人を超すお客さまにお越しいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。三菱関連企業が多いことで知られる長崎ですが、IT関連においてもそれぞれの得意分野をしっかりと持つ企業が多く、これらの企業の問題解決に正面から応えるべく努力しました。ここで体感された最新ITが今後のビジネスの力となることを期待しています」。ダイワボウ情報システム長崎支店の八木壮人支店長は、盛況だった48時間をこう振り返った。
 
各メーカーの3Dディスプレイを体感する
3D元年とも言われる今年、話題性として群を抜く3Dディスプレイについては、NEC、ソニー、シャープ、パナソニック、三菱電機、東芝、富士フイルムなどさまざまなメーカーが商品化している。会場入口近くのパナソニックブースでは、フルハイビジョンプラズマ「3D ビエラ」54型を展示、デモ映像のバンカーショットで「飛び散る砂の迫力がすごい」というのが来場者の共通した感想だ。ソニーはフルハイビジョン液晶「3D ブラビア」を展示、こちらのデモ映像はサッカーで、ボールがこちらに向かってくる迫力も相当なものだ。NECはディスプレイではなく、7月20日出荷予定の3D対応プロジェクターを展示。まず教育関連需要に期待するとの言葉通り、動物の生態を3Dでリアルに描画、コンテンツとしては最も見どころがあったとの評価が高い。

NECの3Dプロジェクター ソニーの3D

これら3Dディスプレイや3Dプロジェクターの映像を見るには、視聴者が3Dメガネを装着しなければならず、1人に1個ずつ専用メガネが必要だ。現時点で1万数千円という3Dメガネの価格に加えて、お茶の間でみんなが3DメガネをかけてTVを観ているシーンも違和感を覚えるという声があり、この3Dメガネをどうするかは今後の3D普及の大きな課題と言える。

パナソニックの3D 三菱電機の液晶ディスプレイ

そういった意味で、3Dメガネ不要の3Dシステムとして富士フイルムが打ち出しているのが「FinePix REAL3D」だ。3Dデジタルカメラと3Dビュワーをセットにしたもので、カメラとビュワーの量販店頭におけるセット価格が10万円強と、大画面志向の他メーカーとは異なる方向性を打ち出している。この3Dビュワーが、メガネ無しで3Dコンテンツを見ることができるのは、ビュワー表面にある細かい突起の左右で右目用と左目用のコンテンツを分離して見ることができるからだ。画面と同期した3Dメガネによって左右映像を分離する方式に比較すると、3Dの迫力がやや劣るという欠点はあるものの、メガネ不要の3Dとして今後の可能性をアピールした。

日本サムスンはディスプレイについてはサイネージ用途に絞り込んだ展示内容で、3Dディスプレイは出展しなかったが、今秋には3Dメガネ不要の画期的な裸眼大型3Dディスプレイを発売する予定だ。また三菱電機も今回は3Dディスプレイを出展せず、動きの速い映像をなめらかに再現する倍速補間など、最先端ディスプレイ技術によるモニター商品群を紹介した。

富士フイルムのFinePix REAL3D SAMSUNGのサイネージ
 
クラウドを支える仮想化
今回の大きなポイントとされた仮想化はどうだったか。ダイワボウ情報システムブースでは、クラウド・インフラストラクチャー構築に最適なプラットフォームとして「VMware vSphere4」、柔軟なデスクトップ環境をサービスとして提供する「V MwareView4」がそれぞれ紹介された。サーバーをはじめコンピュータ関連リソースの仮想化が進んでいるが、仮想化そのものはコンピュータの世界で新たな概念ではなく、遠隔地にある複数のサーバーをひとつのサーバーとして論理的に統合したり、ひとつのサーバーを複数のサーバーとして分割して利用するなど汎用機時代からごく一般的に行われてきた。しかし最近になって仮想化がクローズアップされる大きな理由として、仮想化技術の進化とともにクラウドの普及がITリソースの柔軟な取り扱いを後押していることがあげられる。

クラウドと仮想化は今回の大きなテーマだが、これらはお互いに深く関わり合っており、しかも企業規模に関係なく今後のITにとって不可欠の技術要素となっていることが大きなポイントだ。仮想化と言えばサーバーの仮想化を連想することが一般的だが、今回はデスクトップの仮想化によるメリットにも力点を置いた紹介が行われ、中小規模企業にとっても身近な存在となった仮想化をアピールした。

クラウドについても、雲の彼方からITをサービスとして利用できるという説明はなかなか実感として苦しいものがあるが、企業として必要なITリソースをネットワーク経由で利用するという説明なら、すでに多くの企業がクラウドを実践していることになる。このようにすでに身近なクラウドにおいて、ハードやソフトなどのITリソースを必要に応じて随時に利用するための前提となるのが仮想化技術である。
 
地道なインフラ分野にも力点
APCの統合電源ソリューション
3D、仮想化、クラウドなど話題性の高い分野だけでなく、これらを支える地道なインフラ分野にも力点が置かれているのが、最近のDISわぁるどの特徴だ。UPS(無停電電源装置)もそのひとつで、ITシステムが安心・安全に稼働するためには不可欠な存在ながら、ユーザー企業にとってはメーカーごとの差別ポイントが理解し難い商品だ。

UPS分野で圧倒的なシェアを持つAPCは、シェアが高いこともあって個別商品のアピールよりもUPSを含む電源ソリューションという総合力でアピールするのが最近の出展傾向だ。今回は電源ソリューションの中でも、NAS導入後に多い電源トラブルへの対策をアピールした。サーバーやネットワーク機器、空調などさまざまな装置が接続された電源環境では、電源を入れるにも一定の順序が必要で、この順序を間違うと正常に作動しない可能性がある。マニュアルに従って担当者が順に電源を入れていくというのが一般的だが、APCの電源ソリューションなら、全体の電源を一度入れるだけであとは電源ソリューションが順番に各機器の電源を自動的に入れていくという仕組みだ。

日本のUPS市場ではAPCに次ぐ第2位のシェアを持つのがオムロンで、特に750VAクラスの中小規模UPSに実績が高い。最近はUPSが低価格化したこともあり、NASなど重要なネットワーク機器にもUPSを活用するケースが増えているが、小型の低価格UPSにおいても正弦波出力を徹底するというのが同社のアピールポイントだ。入力は正弦波のみサポートすると明記するPCメーカーが増える中、NASやクライアントPC向けのUPS需要に積極的に取り組むことでシェアアップを図っている。ちなみに富士通やNECのビジネスPCでは正弦波UPSの使用が必須とされており、低価格UPSを選択する場合でも正弦波出力については最低限チェックすべきというのが同社の主張だ。
 
教育用タブレットPCが登場
教育用タブレットPC
今回初登場として注目を集めたのが東芝の教育用タブレットPC「CM1」。小中学校で教科書がデジタル移行する可能性に備えていちはやく開発したもので、学校用PCに経験豊富なDISのノウハウも盛り込んで商品化した。ペン入力対応タブレットモード搭載で、キーボードに不慣れな児童にも操作が可能。表面をラバーコートで覆い、丸みを帯びたデザインとするなど滑りにくく扱いやすい外観とした。無線LAN、回転式Webカメラ、スピーカー、マイクを搭載、モーションセンサーによって画面表示の縦横が自動で切り替わるなど、現時点で考えられるさまざまな教育用機能を盛り込んだ。

機能が豊富なことが教育用途にはプラスかマイナスかの議論はあるが、現在考えられる最善の教育用PCを商品化したことが、今後のデジタル移行にどのような影響を与えるのか興味深い。
 
セキュアUSBが情報漏洩を阻止
セキュアUSBメモリ
今回のもうひとつの重点項目である内部統制・セキュリティについても、さまざまな商品が紹介された中、アルプスシステムインテグレーションのセキュリティUSBメモリ作成ソフト「InterSafeSecureDevice」が来場者の関心を集めた。セキュリティ重視の傾向が強まる中、USBメモリは情報漏洩の元凶として使用を制限されるケースが増えている。使い勝手とセキュリティとは二律背反の関係にあるとは言え、この便利なUSBメモリを安全に利用する方法はないかとの発想から開発されたのがこの商品。

その仕組みは、汎用USBメモリをパスワード認証と暗号化で保護するというもので、社内では通常のUSBメモリとして使用でき、社外にデータを持ち出したり社外からデータを持ち込むことはできないが、USBメモリ内だけでのデータ編集や保存は可能だ。この基本機能に加えて、用途に応じて柔軟なモード設定が可能で、USBのビジネス活用が復活しつつあるという。
 
旬の素材と成熟素材をバランスよくカバー
進化するITの中でも、ある時期には急速な進化を見せる分野もあれば、外見上は変化が見えないが水面下で大きなうねりが始まっている分野、すでに成熟期に入った分野などさまざまだが、これらを「バランスよくカバーしながら、全体として旬のITを感じる」とは、今回のフェアに対する長崎の地場IT企業の評価である。
 
過去記事一覧
IT前線上昇中!はれのくにOKAYAMA
10月27〜28日、「DISわぁるどin岡山」開催
DIS、基本はあくまで「地域密着」「全国展開」
入社式で「復興に向け全社一丸で頑張る」決意
中四国・九州営業本部 植西 淳一本部長
「取締役 関西・中部営業本部 本部長 西村 幸浩」 「首都圏営業本部 本部長 松本 裕之」
ダイワボウ情報システム(DIS)は昨2010年10月1日付けで営業部門の大幅な機構改革を実施しました。 新たに就任した本部長や部長を中心に、抱負や営業戦略を語ってもらいます。
一段と進化した「DiSわぁるど」富山展に1,130人
DIS、上期は過去最高の売上高
DIS営業推進本部3人のキーマンが語る
発見!体験!実現!きときとITフェア!
新規ビジネス開拓目指す「営業推進本部」も新設
-2010年9月号-
「DISわぁるどin長崎」充実の2日間を体感!
3D、仮想化、クラウドなど話題のITを一堂に紹介