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from DIS
月刊ITビジネス情報誌PC-WebzineからDIS関連情報をお届けしています。
 
-2011年6月号-
創業30年を節目に次のステージに“挑戦・成長”
DIS、基本はあくまで「地域密着」「全国展開」
野上義博社長
ダイワボウ情報システム(野上義博社長、DIS)は長年続く商品デフレから脱却できないIT市場環境にあって、前期決算で過去最高の収益を計上した。首都圏営業部隊などの牽引によるものだが、それらも含めて「地域密着」という基本方針の徹底が奏功した。創業30周年目に入った今期は、東日本大震災の影響など厳しい環境に直面しているが、野上社長は「地域密着」「全国展開」という基本方針にブレることなく、次のステージに果敢に挑戦して新たな成長過程に入りたいと語る。
 
東日本大震災に全社一丸で復興支援
――東日本大震災の影響は依然、多方面に出ています。
野上社長(以下敬称略)●まずは東日本大震災により被災された皆様に、誌上ですが心よりお見舞い申し上げます。今回は大地震、大津波に加え原発事故、風評被害と4重苦ともいえる大災害となりました。当社は宮城、岩手、福島、茨城にもそれぞれ支店を持ち、仙台には物流センターがあります。このうち仙台センターは20日間ほど機能が停止してご迷惑をおかけしましたが、3月末日には全面復旧しています。また従業員の中には東北出身者も多くいますが、人的災害がなかったのは幸いです。しかしメディア等で伝えられているように、各ITメーカーさんの生産体制に影響が出ており、またお取引きいただいている多くの販売店様が被災しました。避難所にパソコンとWiMAX端末をセットで届けてコミュニケーションや情報収集のお手助けをし、被災した販売店様にサーバーをお貸しするなど各方面で支援活動をしてきました。また些少ですが、岩手、宮城、福島、茨城の4県に義援金を送らせていただきました。しかし本格的な復興はまだまだこれからです。一日も早い復興を心から祈念するとともに、当社としても引き続き支援活動を強め、全社員が一丸となってそれぞれの地域でこの苦難を乗り越えていく覚悟です。
 
――企業として、今回の大震災をどのように受け止められますか。
野上●当社が一貫して進めてきた「全国拠点網」「マルチベンダー」が有効であったことを、あらためて痛感しています。もしこれが例えば首都圏など特定地域に集中していたり、また特定のメーカー商品だけの取り扱いだったら大変な状況になっていたと思います。それは当社のみならず、お客様にも迷惑をおかけすることにつながります。東北地方や節電等の影響で一部機能が低下した首都圏の取り組みを全国の拠点がカバーし、また物流機能も全国に広がる13のセンターでフォローしました。「地域密着」とともに、全国津々浦々での展開、全世界のあらゆるIT機器・ソフトを扱う独立系マルチベンダーの重要性をあらためて認識することが出来ました。
 
前期は首都圏などが牽引し増収増益に
――前期は、依然低価格化に流れる市場環境にあって増収増益を確保されたとうかがっています。その要因や特徴をお聞かせ下さい。
野上●期初目指したグループ全体での売上高4,000億円にはわずかですが届きませんでしたが、売上高も営業利益も過去最高となりました。法人向けでは「地域密着」を基本とした販売戦略によって首都圏が牽引し、また市場規模の小さい地方拠点でも多くが収益拡大で貢献しました。さらにコンシューマ市場では電子商取引対応のWeb販売企業向けの伸張があげられます。グループ企業では、システムインテグレーション部門が期の後半から民間・公共向けシステム開発で成果をあげました。
 
――首都圏が大きく伸びた要因は何でしょうか。
野上●ひと言でいえば「地域密着」という原点に返ったことです。正直いって首都圏は、これまでともするとビッグユーザーに集中する傾向にありました。この結果、市場全体が好調だったにもかかわらず、他社との競合で遅れをとったり古くからのお客様すらカバーできないなど厳しい状況に陥っていました。そこであらためて「地域密着」を徹底し、底上げを図ったものです。そういった意味でも、首都圏は新たに拡大したというより回復基調にあるとみており、その市場規模からしてまだまだ拡大しなければならない、拡大が可能だと考えています。
 
――一方で、DISはこれまで売上高が3月など期末に集中する傾向がありましたが、前期はこれが改善されました。
野上●ご指摘の通り、期末集中型からの回避は当社にとって長年の課題となっていました。例えば前々期はDIS単体の売上高に占める3月1ヵ月間の実績は15%を超えていました。スクールニューディール効果もありましたが、15%超はやや異常です。しかし前期は期の前半から各月ほぼコンスタントに計画数値をクリアすることが出来、3月単月の売上高は年間の13%まで改善しました。当社の場合どうしても法人向けや自治体・学校案件の比率が高いためにある程度の期末集中は避けられませんが、今後も引き続き平準化に向け改善を図っていきます。
 
「顧客第一主義」機軸に需要拡大
――さて今期ですが、民間のある調査機関の予測では、2011年のIT市場規模が2月時点で前年比0.6%増(金額ベース)と見込んでいたものを東日本大震災後は同4.5%減とマイナスに修正しています。
野上●確かに大震災による影響は大きく、現実に当社でも東北地方の拠点中心に一部減退を余儀なくされました。今後も東日本だけにとどまらず多少の濃淡はあっても全国的にマイナス要因となり、それもパソコンなどハード分野にとどまらずソフトウエアやITサービスなど全ての分野で尾を引く可能性があります。ただ私は今年、IT市場がわずかとはいえ前年比プラスになるとの当初予想すら懐疑的にみていました。そうでしょう、あれだけ新しい商品や機能製品が次々とIT市場に投入されているのに一向に製品単価は上がらない。ITにとどまらず経済原理から判断して、こういった状態は「市場の飽和」と考えざるを得ません。一方で大震災の影響でクラウドの流れが一段と加速されそうです。そこに加えて日本のPCメーカーの外資との協業やスマートフォンの台頭など、現下のIT市場を取り巻く環境はいろんな状況が絡んで混沌としています。
 
――そういった中で、DISグループの基本戦略に変化はありますか。
野上●いえいえ、こういった混沌とした状況だからこそ、基本方針がブレてはいけません。ユーザーの立場に立ってパートナーさん、メーカーさんと一緒になってサービスを提案するという顧客第一主義を機軸に、「全国展開」「地域密着」を徹底します。クラウドの展開においても各ユーザーの情報端末は依然パソコンが中心ですし、そのパソコン分野での当社の国内シェアはまだ13%に過ぎません。そこで昨年10月から、より一層のきめ細かい戦略と地域密着営業で需要拡大の深耕が図れるように既存の営業体制を見直しています。現在15の営業部が各拠点とともに全国津々浦々で日々、各販売店様とともにお客様のニーズにきめ細かく対応できるべく取り組んでいます。前述したように首都圏や地方の小さな拠点の頑張りも、こういった体制整備のひとつの成果といえます。各営業部長の指導がより迅速に伝わり、各拠点の動きも良くなってきました。今期はこうした取り組みが全社共通のものとして定着するとみています。
 
今期、売上高4000億円必達を
――一方で、時代の流れに対応した新規ビジネスも避けて通ることはできません。
野上●もちろんです。そのような新規ビジネスを企画・立案して営業支援機能を強化するために、同じく昨年10月に営業推進本部を新設しています。現時点ではまだ十分その力が発揮できてはいませんが、誤解を恐れずにいえば失敗してもいい、新しいビジネスを企画・立案、そしてトライアルしてその成果を各営業部隊がより具現化できるよう大胆な挑戦を望んでいます。
 
――今期はスタートの4月から、会社創業30年目に入っています。
野上●30年というのは企業にとってひとつの節目です。今期は売上高4,000億円を達成して次のステージに向かうべく、DISグループが一丸となって「挑戦・成長」していく所存です。
 
――ありがとうございました。更なる発展を期待しております。
 
今秋10月岡山で「DISわぁるど」開催
ダイワボウ情報システムは今秋10月、岡山市で恒例の「DISわぁるどin岡山」を開催する。当初、同展は7月に開催される予定だったが、東北大震災の影響を考慮して10月に延期したもの。野上社長は「ご出展いただくーカーさんのご意見なども伺って秋に延期したが、『わぁるど』は当社にとってきわめて重要なビジネスの場と位置づけいる。今期は年1回の開催になるかもしれないが、今後も年度2回を基本目標に全国各地で開催していきたい」と語る。
開催時期 10月27日(木)、28日(金)の2日間
開催会場 岡山県総合展示場「コンベックス岡山」
               (岡山市北区大内田675番地)
 
過去記事一覧
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出展内容のお知らせ
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10月27〜28日、「DISわぁるどin岡山」開催
-2011年6月号-
創業30年を節目に次のステージに“挑戦・成長”
DIS、基本はあくまで「地域密着」「全国展開」
入社式で「復興に向け全社一丸で頑張る」決意
中四国・九州営業本部 植西 淳一本部長
「取締役 関西・中部営業本部 本部長 西村 幸浩」 「首都圏営業本部 本部長 松本 裕之」
ダイワボウ情報システム(DIS)は昨2010年10月1日付けで営業部門の大幅な機構改革を実施しました。 新たに就任した本部長や部長を中心に、抱負や営業戦略を語ってもらいます。
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