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from DIS
月刊ITビジネス情報誌PC-WebzineからDIS関連情報をお届けしています。
 
-2011年1月号-
最新テクノロジーをいかにビジネスに役立てるか
一段と進化した「DiSわぁるど」富山展に1,130人
「クラウドや仮想化といった旬の話題にどどまらず、これらを支える技術や製品について正確で役に立つ情報を提供して、ユーザーや販売パートナーの判断力を高める」。ダイワボウ情報システム(DIS)は、昨年11月25、26の両日、富山市の富山産業展示館テクノホールで「DiSわぁるどin富山」を開催、最新のITテクノロジーや方向性を紹介しながら、今後のITビジネスの可能性を追求した。
 
今回の「DiSわぁるどin富山」は、10月1日の機構改革によって各営業部をより地域密着型の新体制にした最初のDISわぁるど開催となり、2日間で1,130名が来場するなど大盛況だった。

富山展を総括して信越・北陸営業部の栗川博昭部長は、「さまざまな準備の中で従来なかなか把握することができなかった地域の市場環境やエンドユーザーの現実をより理解できるようになり、また開催期間中は来場いただいた多くの方からナマの声を聞くことができた」、とまとめた。さらに展示内容を通じてDISが考える方向性を伝えることができるなど大変有意義だったとし、「最新の技術をただ紹介するのではなく、それが販売パートナー様やユーザー様の利益にどのように結び付くのかをご判断いただくことが私達の願い。今回の開催が当社の基本理念である地域密着を深める中で大きなプラスになると同時に、お客様のビジネスにとって必ずやプラスになるものと信じています」と強調した。
 
コーディネーターとしての役割を発揮
7月14〜15日に長崎で開いた「DISわぁるどin長崎」は、初日がひどい風雨に見舞われたものの、出展者数73社、地域の販売店様中心に来場者数1007人など、当社の地域密着を出展メーカー様に対しても確実にアピールすることが出来た。誌上だが、あらためて販売パートナー様、出展メーカー様に御礼を申し上げたい。11月25〜26日に富山市で開く「DISわぁるどin富山」でもご期待に応え、大きな成果をあげたい。
 
上期は収益とも大きく前進
「DiSわぁるどin富山」では、コーディネートとアピールポイントの両面で大きな変化が見えた。

まずコーディネートの面では、DIS関連ブースが充実して来場者が大きな関心を寄せるようになった。メーカーをはじめとする出展社のブースに加えて、DISおよびグループ企業が積極的なブース展開を開始して以来今回が3度目の開催だが、その内容には大きな変化が生じている。WiMAX、クラウド、仮想化など展示のテーマそのものに大きな変化があるわけではないが、それぞれのテーマに対する掘り下げ方が深くなり、その結果として訴求ポイントが正確に伝わると来場者の評価は高い。

仮想化など詳しい説明が必要なブースにおいてこの傾向は顕著で、VMware、XenDt、Hyper-V など仮想化ソフトを紹介するに当たって、マルチベンダーであるDISの社員が説明することで、ソフトメーカーの自社製品アピールの域を超えて、個別ソフトにこだわることのないより実践的な紹介が可能になった。

この流れは開催全体を通じての傾向でもあり、メーカーブースにおいても展示内容についてすべてメーカーに一任するというスタイルを脱し、「最新テクノロジーを有効活用していかにビジネスに役立てるか」という方向性が一貫していた。DISがコーディネーターであることは従来から変わりはないが、その役割を充分に発揮したことが今回の大きな特徴と言える。
 
ダイワボウグループ ショートセッションもDIS社員が解説
 
モバイルサイネージ
(DISテクノサービス)
参考出品タブレットPC
(東芝)
 
新製品Reade
(ソニー)
ワイヤレスディスプレイアダプタ
(NETGEAR)
 
繊維とITのコラボレーションを披露
DIS関連ブースで異色の存在ともいえるのが、ダイワボウホールディングスによる展示だ。周知のようにダイワボウHDには繊維メーカーが多く、ITとの深い接点を持つ製品が多数出展されるなど繊維とITのコラボレーションが意外な成果を上げている。金属繊維を織り込んだ手袋などはその一例で、手袋をはめたままでは操作しにくいタブレット型端末でも、この手袋を装着すれば素手と同じ感覚で操作できるという優れものだ。この電導手袋は工場などですでにかなりの採用実績があるとのことだが、このように、電導繊維一つをとっても手袋をはるかに超えた世界があることを感じさせる。
 
サーバービジネスが大きく変化
もうひとつの大きなポイントが、「メーカーごとに製品の個性は違う」ことを、出展各社が強くアピールするようになったということだ。メーカーにとっては当然とも言える個性のアピールだが、ここ数年は価格勝負に追われて個性が顧みられることが少なくなった。この傾向は、サーバーやネットワーク機器など誰もが知っている普及商品について顕著であった。

その典型がPCサーバーで、「同じ価格帯ならどのメーカーの商品も大差ない」という声が常識としてまかり通り、各メーカーがアピールする独自色も価格低下の前にはなすすべがなかったというのが実情だ。しかし今回の開催では、CPU、メモリー、HDDその他同じパーツを使っていても、「メーカーの方向性が違えば製品も違う」ということを各メーカーが改めて強くアピールし始めた。これは「価格が安い」「シェアが高い」の両要素をアピールの中心に据えてきた従来ビジネスからの大きな変化であり、価格訴求のサーバービジネスが大きな曲がり角に来ていることをうかがわせる。

「車のタイヤを買い替える時、価格が必ずしも最大の選択ポイントではないことは誰でもわかる。『高速道路を走ることが多いならこちらのタイヤが安全ですよ』などの判断を販売店は伝えるし、ドライバーもそれを自分で判断できるから、目的に応じたタイヤが売れる。しかしサーバーは、売る方も買う方も製品の違いを理解していないことが多い。仕様が同じなら低価格の商品にしようということになる。今やサーバーという言葉を知らない人はいないが、実は多くの人が充分には理解していない。その一方でサーバーはどんどん進化を遂げるので、製品と理解とのギャップがますます大きくなっている。だから我々メーカーが、自分達が良いと信じる製品の長所を誰にも理解できる形できちんと伝えていくことが必要だ」という日本IBMの指摘はもっともだ。

もちろん従来から各メーカーは自社製品をアピールしてきたが、そのアピールポイントが各社一様に見えることが難点で、ユーザーの多くは違いを知らないままに購入した。これではユーザーにとっても販売店にとってもメーカーにとっても不幸だということで、サーバービジネスの見直しが始まっている。

各メーカーのPCサーバーの個性を一言で表現することは確かに難しいが、日本IBMが紹介した内蔵メモリーの大幅な増強によるスピードアップは比較的わかりやすい例だ。CPU同士を接続する超高速インターフェースをメモリーとのアクセスに応用することによって最大3TBという大容量を内蔵メモリーとして使えるというものだ。テラ単位の大容量メモリーの必要性があるか否かについては、「大容量メモリーを駆使することで、仮想化のボトルネックとされるHDDアクセスによるタイムロスから解放されるなど、使ってみればその効果の大きさが理解できる」と紹介されている。

NECも数多いPCサーバーの品揃えを持つが、NECならではの個性的製品として評価が高いのが、無停止型のftサーバーだ。サーバーを構成する主要コンポーネントをすべて二重化して一つに組み込んだPCサーバーで、これを導入するだけでシステムの二重化が可能になるという手軽さが最大の魅力だ。システム上は1つのOSが稼働する1台のサーバーなので、既存の業務APやミドルウェアがそのまま使える。つまり二重化を意識することのない二重化が可能になる。小規模企業でも手軽に二重化ができることを目指して、リーズナブルな価格設定も特徴だ。
 
国産ルーターの良さをアピール
(YAMAHA)
メモリ拡張ユニット
(日本IBM)
 
ftサーバー
(NEC)
全商品ライフタイム保障
(D-Link)
 
リムーバブルHDDケース
(ラトックシステム)
国産スイッチAPRESIA
(日立電線)
 
ネットワーク機器も個性重視の時代に
メーカーが個性を発揮しにくいと言われるもう一つの商品が、スイッチやルーターなどのネットワーク機器だ。秋にCISCOが普及価格商品のシリーズを発表したことで、この傾向はさらに強くなると思われた。しかし今回の出展を見ると、各ネットワーク機器メーカーの個性の打ち出しは簡潔明瞭で、価格競合の中でも個性重視によって今後のビジネスを切り拓こうとするメーカーの姿勢を感じる。

「世界のSMB市場では広く知られた存在だが、日本ではまだ知名度が低い。そこでまずは商品を絞り込んでの日本市場攻略に着手した。ワイヤレス・ディスプレイ・アダプタも突破口の一つとして期待している」(ネットギアジャパン)、「ネットワーク機器専業メーカーとして商品の品揃えには自信がある。今回紹介したネットワーク認証アプライアンスなど、日本メーカーならではの使いやすさを重視した」(アライドテレシス)、「製品のコストパフォーマンスは言うまでもないが、スイッチからファイヤーウォール、無線アクセスポイント、メディアコンバーター、IPカメラなど全商品に対してライフタイム保障を行ってアフターフォローを徹底している」(ディーリンクジャパン)、「日本市場に合った商品という意味では、国内生産を徹底するヤマハ製品に一日の長がある。バックアップ用にINSポートを持つのもヤマハならでは」(住商情報システム)、「国産メーカーならではの品質の高さには自信があり、広域イーサ向けの大規模スイッチでは最大のシェアを持つ。日本と米国ではLANを活用する文化が違うので、日本企業にとって国産メーカーが使いやすいのは事実。トレードマークの青いスイッチが今後の日本市場で普及すると信じている」(日立電線)―などの声が各メーカーから聞かれた。

なお基調講演として、UQコミュニケーションズの野坂章雄社長による「WiMAXが切り拓くモバイルブロードバンドの世界」、インテルの宗像義恵副社長による「新しいビジネススタイルを実現するコンピュート・コンティニュアム--次世代クラウドでのインテルのコンピューティング戦略--」、さらに特別講演として日本電気航空宇宙システムの小笠原雅弘氏による「はやぶさの帰還 そして新たな旅立ち」(別掲)が行われた。ビジネスに直結するITビジネスセミナーは計11。20分間で面白くためになるショートセミナーは計18など、旬の話題を満載して来場者の期待に応えた。
 
今年も2カ所で開催。7月は岡山市
「DISわぁるど」は今年も2ヵ所で開催される予定で、
まず7月には13、14の両日、岡山市で開催する。
 
過去記事一覧
DISわぁるど in 岡山
岡山では最大級のIT総合展示会に
Windows スレートPC の拡販を目的に販売パートナーを支援する組織を設立
「地域ビジネス重視で多数の地元企業が積極展示」
東日本大震災、本当の復興は今から本番
出展内容のお知らせ
IT前線上昇中!はれのくにOKAYAMA
10月27〜28日、「DISわぁるどin岡山」開催
DIS、基本はあくまで「地域密着」「全国展開」
入社式で「復興に向け全社一丸で頑張る」決意
中四国・九州営業本部 植西 淳一本部長
「取締役 関西・中部営業本部 本部長 西村 幸浩」 「首都圏営業本部 本部長 松本 裕之」
ダイワボウ情報システム(DIS)は昨2010年10月1日付けで営業部門の大幅な機構改革を実施しました。 新たに就任した本部長や部長を中心に、抱負や営業戦略を語ってもらいます。
-2011年1月号-
最新テクノロジーをいかにビジネスに役立てるか
一段と進化した「DiSわぁるど」富山展に1,130人