DISグループにおけるセキュリティビジネスの取り組みについて (PC-WEBZINE11月号より転載) |
平成14年11月11日 |
ダイワボウ情報システム(略称DIS、横山満社長)は、セキュリティービジネスを一段と強化する。もちろんこれまでも、ソフト&ハードの供給やネットワークの構築などを中心に取り組んできたが、わが国でもインターネットの普及拡大、ブロードバンド社会の到来に伴い、企業、個人を問わず情報セキュリティーへの対策が焦眉の急となっていると分析、総合ディストリビューターとしてグループをあげて、セキュリティーに付加したビジネスを積極展開することとなったもの。 以下、DISグループが展開するセキュリティービジネスの基本的な考えと、その中心的役割を担う「D/DプロジェクトI」の取り組みを紹介する。 |
インターネットの普及でセキュリティー対策は焦眉の急
確かに大手企業中心にアンチウイルスソフトの導入やファイアウォールでの対策は進んでおり、それらの普及率自体は米国並みとされている。しかしIDS(Intrusion Detection System=不正侵入検知)などに代表される、より高度なセキュリティー対策に関する彼我の差はかなり大きいものがある。先進的といわれる一部大手企業でもこのような実態だけに、中小企業・SOHO、さらにはコンシューマーの(セキュリティー対策への)全般的な遅れは想像に難くない。しかもブロードバンド社会を迎えた今、セキュリティー対策は一部大手企業や官公庁の中枢機関などにおける特殊なニーズから、一般ニーズに大きく広がりを見せている。現在進行する「e-JAPAN構想」がこれに拍車をかける。 セキュリティービジネスは“旬”、年率30%強の伸張 DISの高井左千郎専務は、わが国のセキュリティー市場をこうみる。「セキュリティービジネスは今が“旬”です。富士キメラ総研の資料によると、日本のセキュリティーマーケットは、製品とサービスを合わせ2001年実績の約3,300億円が、毎年3割強拡大し2004年には2倍強の7,500億円になると予測されています。IT関連の大半の商品において、今後はセキュリティーがキーワードになるといっても過言ではないでしょう。それだけに全世界の製品を組み合わせて提案でき、それをネットワークの構築やサービス&サポートなど多面的な形で付加してお届けできる総合ディストリビューター、DISグループの出番といえます」 ブロードバンド時代を迎え特殊ニーズから一般ニーズに あらためて、高井専務が強調する「セキュリティービジネスは今が“旬”」論をトレースしてみる。まずわが国では、まだIDSの構築やその前提としての企業のセキュリティーポリシー策定などが主流となっていないまでも、徐々にアンチウイルスソフトなどの導入からファイアウォール関係などハードウェア化されたセキュリティー対策に進展しつつある。また先述したようにブロードバンドの流れで(セキュリティー対策が)特殊なニーズから一般ニーズになっている。 この流れを裏付ける形で、現在市場では認証機能付のパソコンや暗号化規格を追及するネットワーク機器、さらにはセキュリティーを前面に推し出したキャリアサービス・xSPサービスなど、セキュリティーをキーワードにした商品のラインナップに注目が集まっている。またSOHO、コンシューマーを意識して5万円を切る勢いのファイアウォールやクライアント志向の低価格パッケージが話題を呼んでいる。そして一方で、ソフトベンダーや販売店を巻き込んだ流通業界の再編も進んでいる。
DISグループの出番、その強みがセキュリティービジネスでも生きる さてDISは、マルチフィールド、マルチベンダーであることに加え、(1)全国に広がる営業サービス拠点、(2)同じく北海道から九州まで12拠点をつなぐ物流ネットワーク、(3)15000社を数える販売チャネル、(4)DIS-NETやiDATENに代表される効率的システム、(5)5つのグループ会社―などの特徴を発揮して、国内パソコン販売でナンバー1の市場占有率を誇る。そしてDISグループのこれらの強みは、「そのままセキュリティービジネスにおいても十二分に発揮できます」と、DISソリューションビジネス推進部の矢野律元部長は語る。 矢野部長によると、まず総合ディストリビューターの特徴を生かし、なによりも全世界の“旬”のセキュリティーアイテムを取り揃えることができる。またソフトウェア製品を専用機にインストールしてハードウエア製品化で販売する最近の「アプライアンス化」の流れは、コスト的に安く、より速く、しかも簡単であるために、DISの強みがそのまま生かされるとみている。もちろん、日頃パートナーとして接する全国の販売代理店や主力SI'erとのコラボレーションも大きな力として発揮されるはずだ。 専門チーム「D/DプロジェクトI」がけん引役に しかし今回、DISグループが積極展開を始めたセキュリティービジネスの大きな特徴は、総合ディストリビューターとしてのDISがサービスを含めトータル的にセキュリティー製品を提供することに加え、システムインテグレーターのグループ企業、ディーアイエスシステム販売(略称DST、石丸毅夫社長)がセキュリティーSI'erとして強力にバックアップし、セキュリティー提案が付加された「CS」を提供するところにある。つまり「サービスディストリビューション」と「テクニカルコンビネーション」が相乗効果を発揮して、セキュリティーを付加した多種多様な提案が可能となるわけだ。 このため、DISとDSTから選出されたセキュリティービジネスの専門チーム「D/DプロジェクトI」(可児康之プロジェクトリーダー)が組織され、今年5月からの調査・研究活動を経て、10月から「D/DプロジェクトIグループ」がけん引役となってセキュリティービジネスをより積極展開することになったもの。 “旬”のセキュリティーメニューを揃え今秋から本格稼働 D/DプロジェクトIはこの間、200社を超すメーカーやセキュリティー系SI'erとの面談による市場調査などを通じ、数多くのハード、ソフト、サポートアイテムにDISならではの横串を入れて、それこそ“旬”のセキュリティーメニューを生み出している。たとえば官公庁・地方自治体・大企業向けの「大規模モデル」、中堅企業以上などを対象にした「中規模モデル」、中小規模、小規模文教など向けの「小中規模モデル」、SOHO、個人市場用の「低価格モデル」などがそれにあたる。
可児プロジェクトリーダーは「セキュリティー市場の変化の早さは想像以上です。それだけに商社チャネルの動向やコンシューマー市場の動向をそれぞれチェックするなどマーケティング活動を継続的に強化するとともに、販売先の分析のスピードアップなどによるセキュリティー種別コードのさらなる精査が重要な課題と位置付けています」とする。一方で「このプロジェクトを成功させるための実践的な活動をベースに、セキュリティーカテゴリーの売り方を具体的に『やってみせる部隊』として、率先垂範します」と決意を語る。 |
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