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DIS School Innovation Project 教育長インタビュー
福岡県 柳川市
-2015年8月号-
福岡県柳川市
ICTを活用できる教職員数(活用の量の増加)に比例する確かな学力の定着に最適なICTの活用ができる授業力(活用の質の向上)の充実をめざして
柳川市の「確かな学力をはぐくみ、個性や能力を伸ばす学校教育の充実」について日焉@良教育長にお話をうかがいました。
柳川市教育委員会
教育長 
日焉@良 氏

昭和30年生まれ。昭和53年より福岡県公立小学校の教諭を務め、平成5年より福岡県教育センター研究主事、福岡教育大学附属久留米小学校文部教官、福岡県教育庁南筑後教育事務所指導主事、公立小学校の教頭、校長を歴任。平成22年より福岡県教育庁義務教育課主幹指導主事、福岡県教育庁南筑後教育事務所所長、福岡県教育センター副所長を経て平成27年4月より現職。
柳川市DATA
  【都道府県】福岡県
  【人口/世帯数】69,084名/24,998世帯(平成27年3月末時点)
  【小・中学校数】小学校19校、中学校6校
  【児童・生徒数】児童3,462名、生徒1,796名(平成27年3月末時点)
  【備考】平成17年に旧柳川市・旧山門郡三橋町・同郡大和町の3市町が合併して新しい柳川市となる。福岡県南部の筑後平野に位置し、南西は有明海に面している。市内全域に水路が巡り、国の名勝「水郷柳河」の名の通り水と緑の豊かな街である。また、数多くの童謡を詠った「北原白秋」の故郷でもある。
 
学校規模もポジティブにとらえ、新しい教育にチャレンジ
―平成27年度柳川市の教育重点施策の柱のひとつに掲げる「情報教育の推進」で取り組んでおられる「児童生徒の情報活用能力育成のために、情報通信機器等の活用のための環境整備、情報通信技術を効果的に活用した分かりやすい授業の実現」についてお聞かせください。
南西は有明海に面し、市内全域に水路がめぐる水と緑の豊かな柳川市は、平成17年に旧柳川市、旧山門郡三橋町、同郡大和町が合併してできた「北原白秋」の故郷でもあります。1中学校区1小学校から1中学校区6小学校まで、地域により大きく異なる環境の中にある中学校6校と小学校19校の全25校で、約5,200名の子どもたちが学んでいます。柳川市で育つ子どもたちが、社会の中でたくましく生き抜くことはもちろん、学校での学習において「確かな学力」を獲得するために、ICTはより有効なツールとして利活用できる情報リテラシーやスキルを身につけることは重要であるとの考えから、平成20年度より教育の情報化に向けた環境整備を計画的に進めてきました。

平成20年から22年度で、すべての教職員に1人1台の校務用PCと校務支援システムを整備し、現在までに児童生徒の出席簿・指導要録・通知表・保健管理等のデジタル化が完了しています。さらに、すべての学校に指導用の情報モラルコンテンツを整備し、年間指導計画にそって、各教科・総合的な学習の時間・道徳・特別活動等での児童生徒への指導も実践しています。

平成25年からのパソコン教室整備の見直しを機に、1校あたり1学級児童生徒数の可動式タブレットPCとともに、電子黒板・複合機・無線LAN・校務支援システム・デジタル教科書等の整備にも着手しており、1中学校区6小学校のうちの1校である豊原小学校に市の研究指定を委嘱するとともに、平成26年度からは福岡県教育委員会の重点課題指定も受け、さらに研究を深化させています。豊原小学校での取組みは、全学年単学級の小規模校であることを逆の強みとして、全学年、全教科・領域でのさまざまな学習場面で広くタブレットPCを活用しています。その結果、学習の目的や授業のねらいに適したICT機器の利活用についてのさまざまな評価を短期間で得ることができています。この実践成果を授業公開や合同研修などで市内の他校に共有することで、拠点校の取組みを市内全校への効率的な普及につなげています。

一方で、拠点校の豊原小学校には、決して特別な教員を配置したのではなく、リーダーシップのある校長と組織をマネジメントできる教頭を核に、力量のある研究主任の学級運営と授業マネジメント指導のもと、新任教員などの若手教員が授業実践するというしくみがICT教育推進の大きな特徴といえます。その若手教員たちが研修会講師として活躍するのみならず、計画的な人事異動により、異動先の管理職や主幹教諭、研究主任等のリーダーとしても活躍しています。
 
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