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from DIS
月刊ITビジネス情報誌PC-WebzineからDIS関連情報をお届けしています。
 
-2009年8月号-
3000万人首都圏市場で売り勝つ!「フェニックスPJ」で反転攻勢かける
DISの09年度営業戦略C 首都圏・関東営業本部
出席者
奥 良文 取締役 首都圏・関東営業本部長
松本裕之 首都圏・関東営業副本部長兼首都圏営業部長
安田充成 広域営業部長
芳賀政則  関東第一営業部長兼関東第二営業部長
IT分野における首都圏市場の役割は、いまさらいうまでもなく大規模から中小零細に至るあらゆるユーザー層を抱えながら圧倒的な購買力で日本のIT市場を牽引してきた。この巨大市場を攻略するための新たな戦略として「フェニックス・プロジェクト」(フェニックスPJ)を開始し、さらなるシェア獲得に挑むDISの戦略と抱負について、首都圏・関東営業本部の幹部4氏は次のように語る。
 
景況に底打ちの兆しも依然厳しさ続く首都圏市場にも様々な地域特性
――首都圏市場の現況についてお聞かせ下さい。
奥氏(以下敬称略)●今回不況の影響が最も大きいのが首都圏市場であるといわれますが、確かに従来経験したことのない厳しさであることは事実です。特に製造業は目を覆いたくなるほどの有様で、投資に対する意欲がほとんど消え失せていたような状況です。しかし今年の5月の後半あたりから、製造ラインに関 連する商品に下げ止まりの傾向が見え始めてきたようです。決して楽観はしていませんが、回復への兆しを感じています。

松本氏(以下敬称略)●そうですね。回復への確かな手ごたえがあるわけではありませんが、下げ止まったという感じはあります。先行投資などあり得ないという従来の雰囲気から、最低限必要なものだけは購入して何とか活性化に向かおうとする意欲が出始めています。

安田氏(以下敬称略)●首都圏ビジネスと地方ビジネスの最大の違いは、官公庁需要への依存度だと思います。首都圏市場では官公庁需要より民需の比率がはるかに大きく、好不況が業績に直結するのに対して、官公庁需要への依存度が大きい地方市場では首都圏ほど顕著な影響を受けにくいことは確かです。しかし首都圏といってもさまざまな地域特性があり、不況の影響もまたさまざまです。

芳賀氏(以下敬称略)●関東を2つの営業部に分けているのも、地域特性を考慮したものです。関東地域でも民需比率が高くて東京のビジネス・オペレーションに近い地域を関東第一営業部が管轄します。具体的には東京以外の首都圏地域です。また関東地域でも官公需要比率が高くて地方のビジネス・オペレーションに近い地域を関東第二営業部が管轄します。具体的には、首都圏を除く関東甲信越地域です。関東第二営業部管轄の地域は、ビジネス特性としては地方でありながら、製造業が地元の有力企業であることから不況の影響が大きい地域です。第一・第二含む関東市場に共通なのは、不況による打撃があまりにも大きかったことで、特に製造業では投資がゼロにまで落ち込んだ感があります。これらの地域では回復への兆しはまだ見えないというのが正直なところです。ただ共通して文教市場に強みを持つ支店が多くありますので、一過性とはいえスクールニューディール計画が実行される今年下期に関しては、大きな期待をしています。

松本●景気悪化が底を打ったと言ってもまだ回復というまでには至っていないので、状況は首都圏も関東もさほど変わりません。首都圏のある大手製造業などでは、経費削減のために社内にあるすべてのコピー機に紙が入っていません。コピーしたい人は用途と枚数を書いた申請書を出してコピー用紙を支給されるのですが、担当長は申請書を吟味してもう数枚削減できないかと厳しい注文をつけます。さらに厳しい企業では、コピー機の電源をすべて抜いている状況で、つまり使うなということです。これは現在も続いていまして、とても楽観できる状況にないことは東京でも同じです。
 
 
新たなトレンド変化を先取りする姿勢が大切
一方で従来の延長線上にも開拓の余地残す
安田●たとえ景気が底を打ったとしても、個人の生活レベルで考えるとこれから本当に厳しい時代に入ります。この夏のボーナスは全国的に悪かったようですが、業績が回復しないことには賞与も上がりませんので、当然のことながら、今年の暮れのボーナスは恐らく過去最大の下落率になります。つまり個人消費がさらに冷えることが予想されますので、経済の回復はそう簡単ではないと覚悟しておく必要があります。

奥●そうですね、本当に底を打ったかどうかなど実は誰にも判断できないと思います。ただ我々としてはいつまでも不況を嘆き悲しんでいるわけにはいきませんので、何とか打開策を講じる必要があります。ここで大切なことは、不況が原因で生じている現象と、不況に関係なく時代の変化が原因で生じている現象とを冷静に見極めて、新たなトレンドに対して常に先手を打って対処する姿勢です。すべてを不況のせいにしていては重要なことを見失う危険があります。これは今のビジネスにおいて注意しなければならないことだと思います。

松本●好不況に関係なく、最近はディストリビューターの可能性が変化していることは事実です。当社が日本最大級のPCディストリビューターであると言っても、日本で流通する全PCの10%にも満たないわけで、この数字だけをみるとまだまだ可能性はあるように思えます。しかし日本のPCディストリビューションを一企業が独占できるわけでもありませんし、さまざまな環境を考慮すれば従来の延長線上に広がる今後の可能性はおのずと限られています。だから当社としては、メーカーのバックヤード的な機能を担うことが当面の課題です。従来の延長線上にもまだまだ開拓すべきビジネスがあることを理解した上で、なおかつ新たな方向性を目指す姿勢が大切です。

芳賀●この方向性は当社の基本姿勢でもあるわけですが、首都圏市場と地方市場とではメーカーのバックヤードとしてのあり方が違います。国内外すべてのメーカーのバックヤードとしての役割が求められる地方市場に対して、首都圏では特に海外メーカーからバックヤードとしての役割を求められるケースが最近は増えています。世界市場でPCメーカーが主力数社に絞られてきた状況を反映したもので、首都圏だけでなく大都市圏でも同様の傾向です。
 
「フェニックスPJ」は徐々に効果を発揮
カスタマイズセンターも大きな武器に
安田●メーカーが得意とする顧客層と当社が得意とするユーザー層の違いが、それぞれ役割を分担できる大きな要因となっています。一般にコンピュータメーカーが得意とするのは、ピラミッドの最上位にあるハイエンドエンタープライズ分野と、圧倒的多数であるコンシューマ分野です。これに対して当社は、ピラミッドの中段部分を支えるSMB分野が得意です。首都圏はこのSMB市場が圧倒的に大きいだけに、当社にとっては最適の市場であるともいえます。

奥●この首都圏市場を攻略するための新たな戦略として「フェニックス・プロジェクト」を開始しました。首都圏市場を再構築するため、営業活動の基本をトレーニングしながら見直すという独自のプロジェクトです。お客様本位とは言いながら、多かれ少なかれ自分本位で商品を売ってきた従来の営業手法を抜本的に見直すことによって、本当にお客様本位の営業力を身につけるためのトレーニングがその骨子で、営業員が自身で課題をみつけてこれを克服していくところにその真髄があります。

松本●「フェニックスPJ」はこれから次第にその効果を発揮することになりますが、厳しい環境下にある今はその効果を判断する絶好の機会とも言えます。厳しいと言われながらも、ITへの投資をいつまでも止めておくことはできない。首都圏市場ではいま、企業の盛衰を賭けたITについて最低限の投資が見直されている状況で、だから市場は確実に存在します。この市場をどのように掘り起こして実需につなげていくか。大不況の底が見えた今こそが大きなチャンスです。

芳賀●ビジネスチャンスという意味では、4月から本格的に稼働したカスタマイズセンターが当社にとってもお客様にとってもメーカーにとっても大きなビジネスチャンスとなっています。WiMAXをはじめとする最新機能の追加やユーザーに応じたカスタマイズについては、PCの単価が低くなればなるほどなかなか責任を持っての作業は困難です。ましてや故障時の対応などを考えると、キッティングやカスタマイズは専門企業に任せたい。PC1台という小規模から数万台という大規模のキッティングやカスタマイズ需要に責任を持って対応できる当社のカスタマイズセンターは、関東物流センター内に設置されていることもあり、首都圏でのビジネスチャンス拡大に大きな役割を果たしています。

安田●ITは低迷していると言われますが、先期のPCを見ても台数的には30%以上伸びているのです。しかし単価の下落傾向が激しく、金額的には前年割れとなっています。つまり台数的な需要は伸びているということを押さえた上で、ではどうするのかということになります。ディストリビューターとして数の論理を追求するとともに、WiMAXなど新規サービスには、積極的に参入しています。新規サービスについては、まず首都圏での実績が全国展開への大きな突破口となります。新規サービス面でも首都圏での積極的な拡販を目指します。

――「フェニックスPJ」で反転攻勢をかけて、首都圏市場での更なる深耕を期待します。
 
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