閉じる

from DIS
月刊ITビジネス情報誌PC-WebzineからDIS関連情報をお届けしています。
 
-2009年7月号-
コンシューマにはコーポレートとは異なった魅力と可能性がある
DISの09年度営業戦略B コンシューマ営業本部
出席者
コンシューマ営業本部長兼リテール営業部長兼EC営業部長 取締役 豊田恵造氏
リテール営業部副部長兼EC営業部副部長 代継勝巳氏
低迷する市場環境の中、ネットブックPCの急成長なども追い風となって堅実な成長を見せているのがコンシューマビジネスです。「コンシューマにはコーポレートとは異なった魅力と可能性がある」と語るコンシューマ営業本部の豊田恵造本部長と代継勝巳副部長に、今後の展望と戦略をお聞きしました。
 
DISのグループ力が決め手に
――まずコンシューマ営業本部の現況についてお聞かせ下さい。
豊田本部長(以下敬称略)●コンシューマを対象とした販売チャネルには、メーカー系列店、家電量販店、カメラ量販店、GMS、ホームセンター、ディスカウンター、通信販売などがあります。通信販売の中でもECが急成長していることは周知の通りで、当社のコンシューマ営業本部ではEC以外の実店舗チャネルをリテール営業部、ECチャネルをEC営業部がそれぞれカバーしています。昨年度は厳しい環境の中で売上、利益ともわずかとはいえ前年度実績を上回ることができました。
 
――コンシューマビジネスの最近の特徴を分析してください。
代継副部長(以下敬称略)●量販店の大型化・寡占化にもみられるように、一つの取引規模が極めて大きいことが特徴です。つまり商談次第で急成長があり得るとともに、急低下もあり得るために、コーポレート系と比較すると浮き沈みの激しいビジネスです。このビジネスをいかに安定的に成長させるかが私達の大きな役割であり、コーポレートビジネスとはまた違ったさまざまな工夫が必要です。
 
――具体的にはどういうことでしょうか。
豊田●コンシューマではリテール、ECを問わず、物流に対する要望が極めてシビアなことが特徴です。もちろんコーポレート系でも物流は重要なウエートを占めていますが、迅速・確実・低コストという基本は同じでも、優先順位が異なります。たとえばコンシューマでは、休日に商品が欲しいケースが珍しくありません。そこでDISグループ関連部署の協力を得て、昨年11月から一部の得意先を対象に365日出荷体制を実現しました。その反響の大きさは当初の予想をはるかに上回り、TVや新聞などマスメディアからも注目を集めました。配送についてもう一つの大きな要望である当日配送についても現在取り組んでいるところです。ユーザーは購入を決めると商品を早く手に入れたいもので、特にEC店舗などでは納品までのスピードが大きな決め手となります。同じ物流といっても、予算をベースとしたコーポレートビジネスとは求められるものが違います。コンシューマ市場に最適な物流体制の実現に向けてさまざまな対策を関係部署と協力して立てています。

代継●当社のカスタマイズセンターを活用した独自モデルのアセンブリも好評です。注文内容に応じたキッティングについては従来からDISが得意とするところですが、コンシューマビジネスでは市場環境を見極めた季節限定モデルなど弊社とのコラボレーションによるさまざまな企画が考えられます。メーカー様や販売パートナー様の要望に対応した商品を大量に素早く組み上げて出荷できるカスタマイズ能力も、大きな戦力となっています。
 
物流機能、店舗フォローに加えDISの総合力が強み
――あらためて、コンシューマビジネスにおけるDISグループの強みをまとめて下さい。
豊田●いま申しました物流機能に加えて、店舗へのフォローサービスおよびDISならではの総合力も強みです。価格面だけならメーカー様との直取引に魅力を感じる販売パートナー様でも、取り扱うメーカーの数が多岐にわたり、しかも店舗フォローをはじめとする販売支援サービスを考えると、当社と取引するメリットは明らかです。
 
――販売のプロである小売業に販売支援は必要ですか。
代継●小売業とディストリビューターでは得意とする分野が違います。小売業は接客販売のプロですが、さまざまな商品を組み合わせていかに販売増に結び付けるかなどのノウハウは当社に一日の長があります。いま話題のデジタルオーディオプレイヤーを例にとっても、店内で強くアピールすることもさることながら、”旬”の周辺機器とうまく組み合わせて紹介することで、お客様への訴求力は倍化します。周辺機器の発売時期や普及度、市場環境などを見計らってどのような組み合わせが効果的かなど、DISの出番は少なくありません。

豊田●そのような当社の役割には、メーカー様からの期待も大きいようです。店舗フォローの大切さを理解しているメーカー様でも、さまざまな商品が並ぶ現実の売り場を単一メーカーで提案することは難しい。さまざまなメーカーの商品を取り扱い、しかも市場動向に詳しいディストリビューターならではのノウハウが必要です。この点でも、サービスや物流機能を含むDISの総合力が大きな威力を発揮します。リテールでも大型店になればなるほど、DISによるワン・ストップサービスの効果は大きいようです。
 
――リテールとECは競合しますか。
代継●なかなか難しいところです。ECの急成長がリテール市場に影響を与えていることは間違いのないところですが、だからといってリテールがすべてECに置き換わるものでもありません。ECはコンシューマの選択肢を増やしたということで、少なくとも当社のビジネスに関する限り、両者は補完し合っているように感じています。寡占化傾向を強めるリテールに対して、ECはさまざまな企業の参入が相次いでいます。同じコンシューマを対象とするビジネスとはいっても、その内容はかなり違うというのが実感です。

豊田●先ほど、ビジネスの成否による浮き沈みが大きいことがリテールの特徴であると言いましたが、ECは企業数が多いだけに安定した成長を遂げています。小さなビジネスから大きなビジネスまで幅広い商談を内包しつつ全体として成長を遂げている市場であり、DISの強みがより発揮される分野でもあると言えます。

代継●当社にとってECビジネスの大きな魅力は、コンシューマの声を直接聞けるということです。ECビジネスもさまざまですが、受注から配送に至る裏方作業をすべて当社に任される事例が増えていまして、エンドユーザーから上がってくる情報の処理についても任されるケースが多いのです。エンドユーザーのナマの声が聞けるという意味で、DISにとっては大きな魅力ですが、逆に当社からの情報分析が役立つということでECサイトもメーカー様も喜ばれています。ECビジネスの成長は、単なる売上増にとどまらないさまざまな魅力をはらんでいます。
 
ECでも個々の企業に見合った提案が必要
――激化するコンシューマビジネスにおいて得意先への均等な付き合いは可能ですか。
豊田●量販店同士が厳しい競合を繰り広げ、ECサイトも淘汰が繰り返されている現状では、確かに八方美人では通用しません。しかし同じようにみえるリテールでもECでも、企業の生い立ちや環境によって必ず何らかの違いがあるものです。当社としてはまずこの違いを見つけ出し、それぞれの企業に見合った適切な提案を行うことが可能です。これはきれい事ではなく、最も現実的な戦略だと考えています。ここでのポイントは、あくまでお客様企業の目線で考えることです。ディスプレイの提案一つを例にとっても、A社製とB社製を使い分けてご提案するなど、やり方はいくらでもあります。
 
――最後に、今後の課題などをお聞かせ下さい。
代継●今後の時代に向けた新たな商流を獲得することです。パソコンはいまや家庭の常備機器という感覚ですので、家電量販や専門ショップという従来の販売ルートにこだわる必要はありません。携帯ショップ、玩具店、書店、家具店、さらにはペットショップその他、思いもよらないようなチャネルに需要が隠されています。当社としてはまず新たなチャネルを掘り起こし、ここに向けた新たな提案を打ち出していく予定です。日本では知られていない海外メーカーの商品が新たなチャネルにフィットするなど、今後の成長を予感させるさまざまな兆候が表れています。

豊田●EC市場が今後さらに成長することは間違いありません。しかし今までのECサイトの多くが、あらかじめ商品を知る顧客が多いなど一般店舗とは異なる利用法が多かったのに対して、今後は実店舗と同様にそこで買い物を楽しめるような店舗が増えてくると思います。そのためには商品の見せ方を工夫するだけではなく、ユーザーの声への対処やクレーム処理など、ECの裏側を支える仕組み作りが必要です。これを当社が提案することで、ECの新たな成長に役立つことが期待されます。もともとコンシューマはコーポレートに比べDISのシェアが低い分野です。従来チャネルでのシェアアップと新規チャネルの開拓によって、当社のコンシューマ売上げはまだまだ伸びます。今後の成長に期待して下さい。
 
過去記事一覧
出展概要と基調講演のお知らせ
話題のWiMAX、クラウドコンピューティングを中心に70余社がビジネス提案
全国の物流センター網など各種機能をフル活用
最新のIT機器を“さるいて体感!”
今3月末の6000局開設など各種サービスも充実
一段と充実の「DISわぁるど」、今年も2ヵ所で開催
四国・愛媛に舞い下りたグリーンIT&最新テクノロジー
出展内容・講演会・ITビジネスセミナーのご案内
「DISわぁるどin福島」レビュー
DISの09年度営業戦略D
販売推進本部・テクニカル推進本部
DISの09年度営業戦略C
首都圏・関東営業本部
-2009年7月号-
コンシューマにはコーポレートとは異なった魅力と可能性がある
DISの09年度営業戦略B
コンシューマ営業本部