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from DIS
月刊ITビジネス情報誌PC-WebzineからDIS関連情報をお届けしています。
 
-2009年6月号-
各地域のニーズに即応した地域密着営業を徹底
DISの09年度営業戦略A コーポレート営業本部
出席者
取締役 コーポレート営業本部長兼関西営業部長 西村幸浩氏
中部営業部長 栗川博昭氏
九州営業部長兼中・四国営業部長 植西淳一氏
東日本営業部長 大内宏之氏
「(現下の経済状況に)地方は中央ほど戸惑っていない」「地道かつ現実的な目標を」「コスト削減に直結するシステムに期待」「情報共有が営業力強化につながる」「まずお客様の実態を理解すること」―厳しい環境の中、前3月期決算でほぼ前年度並みの実績を達成したダイワボウ情報システム(DIS)は、今年4月から新たな攻勢に向けた新戦略を開始しました。コーポレート営業部門を率いる4人の営業部長による座談会では、一般メディアでは伝えられない各地域最前線のITビジネスの現状や今期予測が忌憚なく話し合われました。
 
不況感に温度差、首都圏一極集中の反動か
西村取締役(以下敬称略)●今年度は、昨年以上に厳しくなることを覚悟しています。IT商品を販売する企業も購入される企業も、ともに厳しい状況にあることが今回の不況の特徴ですが、だからこそ企業は生き残りを賭けて業務のさらなる効率化を目指さなければなりません。これを最新のIT機器需要にいかに結びつけていくか。これが当面の戦略となります。

栗川部長(以下敬称略)●中部地区の中でも厳しい環境にあるのが中小の販売店です。これらの販売店様の多くは日本のIT市場拡大に比例して成長してきた企業であり、これまでの延長線上に今後の打開策を見つけるのは難しい状況です。不況の中で唯一期待できるのが官公需要ですが、各社がこれに殺到しますので競合はさらに厳しさを増しています。

植西部長(以下敬称略)●中国・四国・九州地域においても民需の動きは乏しく、官公需要に期待せざるを得ない状況です。今まで官公庁には力を入れていなかった企業が官公庁への入札に積極的に参加するなど、官公庁需要頼みの傾向はさらに強まっています。一方で九州地区では、福岡市への一極集中がさらに顕著になっているようです。

大内部長(以下敬称略)●東北・北海道市場では、それぞれの地域によって不況の感覚は少し違うようです。北海道の販社様に聞くと、意外にも景気は横ばいという意見が多いのです。厳しい環境は他の地域同様ですが、北海道経済はこのところずっと良くなかったわけで、最近になって大都市圏が大きく下落したことについては、ややバランスがとれたという感覚ではないでしょうか。少なくとも北海道に関する限り悲壮感ではなく、顔色の良い販社様も多いように感じました。しかし東北は違い、ITバブル崩壊後の状況以下になるとの懸念を抱いている販社様も多く、今までと違うDIS独自の新たなサポートが必要と感じました。

植西●確かに、マスメディアがあおるほどには地方は慌てていませんね。特に沖縄の人々と話していると、それほど環境が悪化した印象は受けません。沖縄には製造業が少ないために防衛関連を中心とした官公需要への依存度が高く、民需の動向はあくまで沖縄経済の一部に過ぎないという土地柄です。沖縄経済が伸びているわけではありませんが、多くの人にとっては昨年並みという感覚です。事実、当社の沖縄営業所のビジネスも昨年並みです。ホテルをはじめとする建設需要をみても、特に落ちた感じはありません。沖縄でも大手ホテルの建設は中央のゼネコンが請け負うために、地元の建設業がさほど潤わないというのも従来通りです。不況感覚は地域によって確かに違いますね。

西村●関西の大手企業に関してもそれほど悲観はしていないように思います。ただ市場全体を通じて今はあまり買わずに済まそうという雰囲気が強いので、この傾向が今後強まると市場環境はさらに悪化します。しかし大手企業を中心に、極端な買い控えが市場環境を悪化させることも充分に理解しており、そのあたりのバランスを考えると悲観したものでもありません。また経済動向には関係なく、首都圏に比較した関西経済の低迷は従来から指摘されており、厳しいことは確かだが首都圏ほどの落ち込みは感じないという経営者もいます。

植西●それは同感ですね。日本経済の首都圏一極集中は今に始まったことではなく、首都圏市場のような成長が期待できない地方としては従来から地道かつ現実的な目標にならざるを得ないという状況が続いています。経済状況が悪化したから成長に急ブレーキがかかったのは首都圏市場であって、地方にはマスメディアが騒ぐほど劇的な変化はないという声は少なくありません。
 
商品知識、対面コミュニケーション、情報把握
大内部長
栗川●しかし地方でも、民需を主力とする地域においては大きな落ち込みをみせていることは事実です。民需は経済悪化の影響が大きく、今回の落ち込みの大きさは予想をはるかに上回ります。ただ、民需が全般的に大きく落ちる中でも、TV会議システムとかWebEXとか、コスト削減に直結するようなシステムについては着実に伸びています。いくら厳しいと言ってもすべてが厳しいわけではなく、これが今後の戦略のポイントになります。

大内●そうですね。低迷する中でも、経費削減効果が明らかなソリューションへの引き合いは東北・北海道でも強まっており、特に経営層からの関心が高いようです。具体例を上げると、トナーの消費量を全社レベルで削減する「トナーカッター」などは、すでにキラーアプリケーションとしての位置づけです。官公庁の入札でトナーカッターは必要項目ではないにもかかわらず、この機能を付加した当社提案への評価が高まっています。

西村●それはとても重要なことだと思います。今までの当社営業は、お客様から注文のあったものを迅速・確実にお届けする力については自信がありましたが、DIS側からの独自の提案が不足していたという反省があります。しかし経済環境の悪化による買い控え傾向の中、経費削減効果であるとかエコロジーであるとか、お客様にとっても社会環境にとってもプラスになる提案が求められています。今年の営業本部のスローガンである「営業力の向上」も、当社ならではの独自提案が前提です。

栗川●提案には商品知識が必須です。かつての当社営業においては、お客様のご要望に迅速・確実に応えることがまず第一でした。その半面、この商品を売りたい、買っていただきたいという商品知識に裏付けられたこちらからの提案は正直、弱かったように思います。しかし環境は大きく変わりました。お客様への提案には深い商品知識が不可欠で、これが営業力の強化につながります。

植西●営業力はお客様のところに足繁く出向く実践の中でも強化されると思います。ところが最近の若い営業社員の中には、お客様のところに出向く回数が次第に少なくなっています。「DIS−NETU」など社内の情報インフラが整い、これを駆使した営業が可能になったこともあり、この業務をこなすことに手一杯になっている印象があります。

大内●インフラが整って、社内にいるだけでもある程度のビジネスができる環境が整ってきたことは事実です。お客様からの問い合わせが増え、これに応えるのに多くの時間を割いているのが最近の状況ですが、これを脱却しないことには本当の営業はできません。

西村●今の若い営業社員が努力していないのではなく、むかしの我々同様に熱意を持って働いています。ところが商品アイテムは増える一方で、技術は高度に進化する。しかも低価格化傾向はとどまるところがない。ビジネス環境が厳しくなっていることは確かです。

植西●ずっと以前は、パソコン本体以外にはディスプレイやプリンターぐらいしか主力商品がなかったわけで、パッケージソフトにしても販売管理を中心とする数種類に売れ筋は絞られていました。しかし最近の商品アイテム数の増加は圧倒的です。商品知識については、今の若い営業社員の方が勉強しているのではないでしょうか。

大内●取り組みの姿勢に問題があるのかも知れませんね。パソコンが世の中にようやく普及してきた頃は、パソコンが好きだからこのビジネスに携わっているという人が多かったように思います。しかし今やパソコンは世間の常識で、これを扱っているからと言って重宝されるものでもない。ビジネスとして商品知識を習得するのは当然ですが、商品に対する思い入れがあるかないかで、その効果も違ってくるのではないでしょうか。

栗川●今でも思い入れの強い人はいるわけで、そうでない人も当然います。パソコン環境の更新一つをみても、興味のあるなしの違いは確かに大きいように思います。しかしIT販売のプロとしては興味がないでは許されることではなく、商品の進化に敏感でなくてはなりません。これは「韋駄天」についても言えるようで、「韋駄天」を活用することがお客様にとって必ずプラスになるということを、必ずしもお客様に伝え切れていないことが問題です。
 
すべてはお客様をよく理解することから
西村取締役
西村●確かに商品知識は重要ですが、お客様の業務を知らないことにも大きな問題があるように思います。エンドユーザーの業務を知って我々が提供する商品をどのように使うのかを理解すれば、代替機種なども臨機応変に判断できます。医療機関など特定のソリューションの場合など、同じような商品でも機種を変えればトラブルが生じる場合も少なくない。だから商品スペックにとどまらない、お客様の使いこなしに役立つ知識が必要です。

植西●そうですね。お客様のことを良く知らなければ営業力は強化されません。「韋駄天」の提案についても、お客様の業務内容を理解していると「韋駄天」を使うことでどのように業務が効率化され、また本当に必要な情報がいかに迅速に入手できるかなど、そのメリットを具体的に説明できます。お客様が本業とするビジネスがいまどのような環境にあるのか、その中でIT関連はどのような位置づけか、また競合他社からの仕入れがどれくらいかなど、営業の基本となるお客様の理解が先決だと思います。

大内●お客様からかかってくる電話に即対応できるということで、オフィスにいる方がビジネス効率的に高いと考える営業社員も一部にいます。しかし営業という大きな目的を考えると決してそうではなく、攻めと守りのバランスを上手く保つことが必要かと思います。販社様を訪問して新たな知識や情報を伝達し、時には同行営業を行う。そして社内業務の促進においても、サポート社員や「韋駄天」・社内のバックヤード部隊の応援をもらいながら充実した対応を行なうことが理想的と言えます。

植西●毎日違ったお客様に出向くのは確かに容易ではありません。そこで私が若い営業社員に勧めているのは、まず前の週に翌週の訪問予定表を作ってしまうことです。遅くとも金曜日には、翌週の訪問予定を決めてしまい、翌週はこの予定に沿って動くことを基本とする。こうすることでお客様と顔を合わせる習慣が身に付きます。

大内●毎日お客様のもとに伺うには努力が必要です。最新の商品や技術への質問もあるでしょうし、世間話をするにもある程度の社会情勢や経済状況を知っていなければなりません。それには情報の共有によるスキルの向上が重要なポイントとなってきます。「韋駄天」はさまざまな業務処理に加えて、情報の共有という面でも効果的です。これを活用することによって、お客様との顔の見えるコミュニケーションに時間を割くことが可能です。

西村●地域の販売店様にとっては、売るものが見え難くなっている状況です。そういった意味でも、情報の共有は大切です。まず自分たちが学び、これを販売店様にお伝えながら一緒にビジネスを進めていく。地場密着の営業とは、そのお客様に本当に必要な情報や商品をタイミングよく提供することです。いくら全国各地に拠点があっても、呼ばれたら行くが呼ばれなければ行かないというのでは、地域密着営業とは言えません。

大内●インターネットの普及によって世界中からあらゆる情報を誰でも簡単に入手できるようになりましたが、情報の洪水の中から本当に必要な情報を見極めるのは至難の業です。私達のお客様でも、インターネットで本当に必要な情報を入手されているかというと、そうでもありません。その証拠に、そのお客様が専門とする業種での成功事例が知りたいとよく言われます。これをどのようにお客様に提供できるかが大きなポイントです。その際、「韋駄天」が威力を発揮します。「韋駄天」は当社にとって大きな戦力であるだけでなく、お客様にとっても大きな戦力になるということを実践の中で証明していくことができるのです。
 
撤退組続出の中、地域での存在価値が更に高まる
植西部長
大内●最近は協力メーカーの撤退や縮小が増えており、その地域での当社の存在価値がさらに高まっています。例えばサポートやサービスなどメーカー的役割を肩代わりすることで、販売活動での安心感や販売促進に至るまで地域密着の地場営業の特徴がここにあるといえます。

植西●当社にはビジネス展開において他社にはないさまざまな武器がありますが、この武器を充分に使いこなしているとは言えません。価格も武器の一つには違いありませんが、当社としてはそれ以外の武器をお客様に訴えていく。豊富な在庫もその一つであり、メーカー機能を代替できるさまざまなサービスの完備もその一つです。価格だけならWeb通販で十分です。

西村●東名阪に集中する企業が多い中、全国をカバーする当社の役割は重要です。この地域戦略についても、大都市圏と地方とでは役割も性格も違います。だから大都市圏ではどれだけ手を広げて新たな動きに対処するか、また地方では地場市場にどれだけ深く食い込めるかなど、それぞれの地域環境に応じた戦略が必要です。

栗川●地方ビジネスの特徴として、ディーアイエスソリューションが手がけるソリューションやディーアイエステクノサービスが手がけるサービス&サポートを必要とするケースが多く、DISグループの総合力が大きな戦力となります。当社グループですべてをカバーするのではなく、地域の企業にメリットを与えつつ、足りない部分をDISグループが支援するというスタイルが効果的です。つまり地場企業にとっても当社グループ企業にとっても、プラスになるような方向性です。その意味でも、この4月にスタートしたカスタマイズセンターは強い味方になると期待しています。
 
TCO削減に直結した商品起点の営業戦略
栗川部長
西村●さて最後に、各営業部の今期の重点項目を述べてみます。まず関西営業部では、中心となる大阪市内の市場を圧倒したいと思います。市場を圧倒したいという願望は関西に限った話ではありませんが、激戦地であればあるほど勝利の醍醐味もまた大きい。関西の中核である大阪市内の更なる深耕が今期の大きな目標です。

大内●こういう環境だからこそ数々の情報と知識を持ち、新たな提案営業が促進できるよう武器を蓄えたいとおもい、東北・北海道ではお客様と共に成長していく為に、営業社員による日々のコミュニケーション活動以外に、各種セミナーや勉強会を積極的に開催したいと考えています。その一環として9月2〜3日、福島県郡山市で「DISわぁるどin福島」を開催します。さまざまな商品やソリューションを「観て、触れて、聞いて」いただける場としてご提案いたしますので、ご期待下さい。

植西●九州の戦略としては、中心市場である福岡のシェアをさらに高めることが当面の課題です。九州地区を万遍無くカバーしていることが弊社の強みですが、だからこそ中心となる市場でも力を発揮することが大切です。地域は案件中心の戦略で、これは中国でも四国でも同じです。なお四国でも、11月5〜6日に愛媛県松山市で「DISわぁるど」を開催します。四国で初の「DISわぁるど」で、今から熱が入っています。

栗川●中部は製造業向けに依然厳しさはありますが、好調な業種を中心に万遍なくビジネスの幅を広げシェアを高めます。営業部主体でのミニ展示会やセミナーも予定しておりECOを中心にした提案で商談の機会を大きく増やします。
 
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